田中義樹
1995年三重県生まれ。現在、東京在住。2017年武蔵野美術大学彫刻学科卒業。 個展2020年 ジョナサンの目の色めっちゃ気になる(ガーディアン・ガーデン、銀座)2020年 僕はアイドル(略)そばにいるよ(Art Cen […]
2020.06.17 [水] - 2020.06.28 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)
<会期中イベント>
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6月21日(日)15:00~
「オンゴーイング・スタジオ」2020/06/21
『Pre Ongoing School』
https://youtu.be/ukizSLFyMwI
作家本人による展示作品の解説を交えてのレクチャーをインターネットで配信します。
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6月27日(土)18:00~
「オンゴーイング・スタジオ」2020/06/27
『そんたくズ公演自粛記念公演〜地獄で踊ろう!地獄アマビエのデッサンコンクール〜』
出演:そんたくズ(田中寿司ロボット、ペットロスター井上)
https://youtu.be/XJ0l9n91yxI
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6月28日(日)19:00~
「オンゴーイング・スタジオ」2020/06/28
『政治と芸術 〜推しについて〜』
基調登壇:うらあやか、江藤佑一、田中義樹
青い春の匂いがする。自意識に溢れながらも苛立ちだけが募り、勢いはあるのだがどこかやけくそで、ゴールはどこにも見えないけれど全力で突っ走り続ける。全ての大人たちが一度は通ったであろう、そして二度とは訪れることのない、人生の中のほんの一瞬の輝かしき時代。映画でいったら『キッズ・リターン』、音楽でいったら『TRAIN-TRAIN』、小説でいったら『69 sixty nine』、漫画でいったら『ゴリラーマン』とか。彼の作品がそうしたマスターピースと肩を並べられるかは今のところはまだ分からないけど、とにかく田中義樹の作るものからは、いつだって、私たちが遠い昔に失ってしまったあの素晴らしき季節の匂いがしてくるのだ。 義樹が作品の題材として扱うのは、恋人や家族、友人や憧れのスター、そして妄想や失恋の記憶。素材に目を移せば、ダンボールやブルーシート、紙粘土や水彩絵の具、おもちゃやTVゲーム、あとは自筆の言葉や文章だったり。特別な題材や素材、テクニック、あるいはコンテキストなどは使われておらず、目に入ってくるのは日常にありふれたものばかり。抽象的な事象は皆無、全ては具体的であって、観る側の想像力に頼るような小細工は一切しない。それが何か、一目見れば誰にでも分かるように義樹の作品は作られている。 身体を使ったパフォーマンスでも同様だ。盟友、井上森人とのお笑いコンビ「そんたくズ」はその最たるもので、誰がみてもわかる笑いやネタのオンパレード。通好みのものとか、わかる人だけがわかる的な笑いが入る余地はなく、手作り感満載で、そして本当に最高にくだらない。 こうした「素手でどこまでもやってやるぜ」的な彼の表現は首尾一貫している。おそらくそれは、義樹の美学でもあるのだろう。皆でわかったふりをして、物事をはっきりとは表明せず、問題が起きることを嫌うこの世界に対して、一人中指を立てる。それも両手で。義樹が追い求める、そんな、むき出しでさらけ出しの美学に僕はいつもコテンパンにやられてしまう。ああ、こんなヤツまだいたんだなって。 「青春の芸術」なんていったら「現代の芸術」を好む人々には鼻で笑われてしまうかもしれないけれど、義樹にとってはその嘲りこそが大好物であって、これからもチープな素材や題材や笑いを武器に、ぐんぐんただまっすぐに突き進み続けるのであろう。そしてそんな裸足で踏みしめた跡にこそ、もう失われて久しい「芸術の青春」が芽吹くことができる気がしてならないのは、少し歳をとりすぎたせいだろうか。 小川希(Art Center Ongoing)
1995年三重県生まれ。現在、東京在住。2017年武蔵野美術大学彫刻学科卒業。 個展2020年 ジョナサンの目の色めっちゃ気になる(ガーディアン・ガーデン、銀座)2020年 僕はアイドル(略)そばにいるよ(Art Cen […]