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female artists meetingのための展覧会(どのような秘密や緊張、葛藤が生まれるだろう!)

うらあやか+都賀めぐみ 共同企画

2019.08.28 [水] - 2019.09.08 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)

《female artists meetingのための展覧会(どのような秘密や緊張、葛藤が生まれるだろう!)》
は、会場であるArt Center Ongoingと全てのfemale artists、そして来場者との協働を経て、〈female artists meeting〉を実現するための展覧会です。

美術に携わる人々で集うとき、男性比率が圧倒的に多い場面に居合わせることがしばしばあります。それはいつでも、何か意図のあるものではない「素朴」な偶然の様相です。
カジュアルな集いに男女比率を持ち込む必要性があるとも思いませんが、しかしそんな親しい集いの中でもその偏りに違和感を感じることもまた事実です。女性比率の多い場面に遭遇しづらい、またそのような環境が生まれる準備がされていないのではないか。つまり女性同士のネットワーク、あるいはインフラのようなものが未発達であると考えます。

女性だけが集まっている場とはどのようなものだろう、どのような秘密や緊張、葛藤が生まれるのだろうという「素朴な」興味と、私たち自身がサバイブしていく上で必要なシスターフッドに対する欲求から、女性たちの集う機会である〈female artists meeting〉を開催したいと思い至りました。

(優しい女性の集まりだけを、私たちは想像するわけではない。
例えば議論の場で女が武装しマウントを取ることもある。またある女は言い淀む。批判しあう女たち。抑圧が起こり、葛藤が生まれる。このような連鎖が起こり得たはずの膨大な時間が、女たちの元に帰ってくる。男たちがさらっていった時間や言葉。関係性の種類。女たちは新たな言語を獲得するかもしれない。マイクを奪われている間に無意識のうちに言い淀んできた、また構築し損ねてきた、言葉や関係性が生まれてくるかもしれない。そんな血湧き肉躍る筋肉質なシスターフッドだってあり得るはずだ。女たちは邪魔されることなく批判し合う。今までだって、いつだって、そうしているつもりだけれど、本当にそうだっただろうか?・・・)

(言い淀みのない女性の集まりばかりを、私たちは想像するわけではない。
彼女が喋る言葉が上滑りする理由は、憧れと現実の間で憧れを優先していたからだった。話者としての強者像の日焼け跡。言い淀む間、小さな波に足を浸して待つことにしたーーー)

(言葉に対してコンプレックスのある女性ばかりの集まりを、私たちは想像するわけではない。
蜜をからめた他人の悪口をいうことや薬局に並ぶ化粧品の話ばかりしていたい。恋愛の話を朝までしよう。いい匂いのするクリームを分けてくれる人がいつか現れる。)

本展には順路を設けており、来場者はそれに沿って、女性が集まることに関するいくつかのテキストやイメージによるインスタレーション作品を鑑賞することになります。鑑賞の過程において、私たちは来場者に、〈female artists meeting〉に対する態度の表明、また、それ自体を成り立たせる環境整備としての、ある種の造形作業を求めます。これらの作業は、私たちが後回しにしたり取りこぼしてきたものであり、手順を踏むこと自体が、私たちの考えるインフラとしての〈female artists meeting〉の実現のためには欠くことのできないものです。

皆さまとの協働を経て〈female artists meeting〉を開催できますことを、心より楽しみにしております。

うらあやか 、都賀めぐみ

撮影:宮川知宙

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9月4日(水)20:00~
「female artists meetingに向けてのトークイベント:(藪前さんと話してみたい/サバイブするためのネットワークづくり)」
ゲスト:藪前知子(キュレーター)
*来場者は2階カフェスペースにて、1階キッチン内開催トークの音声をお聞きいただけます。

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9月6日(金)20:00~
「female artists meetingに向けてのトークイベント:(熊谷さんと話してみたい/私たちのためのインフラ整備、集う方法)」
ゲスト:熊谷薫(アートマネージャー/Artmingle ファウンダー)
*来場者は2階カフェスペースにて、1階キッチン内開催トークの音声をお聞きいただけます。

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9月7日(土)12:00-21:00
female artists meeting
*2階で開催するこちらのイベントは、性自認が女性であるfemale artistsを対象としたイベントとなっております。※一階の展覧会は、どなたでもご覧いただくことができます。

うらあやか

1992年神奈川県生まれ。2015年武蔵野美術大学油絵学科卒業。相反する物事を反転若しくは攪拌する装置としての作品を目指す。観客との協働によって成立させる参加型パフォーマンスおよびそのデザインや、虫や動物との身体的な関わ […]

都賀めぐみ

1992年広島県生まれ、神奈川在住。2018年多摩美術大学大学院美術研究科修了。アートファンとして美術に親しむ傍ら、いくつかの二次創作活動に勤しむ。2019年より、東京都内の大学で開講されている女性学、フェミニズム、ジェ […]

female artists meeting

2019年から(あるいは昔々から脈々と)行われている、女性たちの集い。企画者それぞれが自身に必要なかたちのフェミニズムの獲得と、美術に関わる女性たちのネットワークの構築を目的として、不定期にイべントや展覧会を行う。202 […]