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Escape

小山渉/芝愛弥葉

2018.03.28 [水] - 2018.04.08 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)

ここまで:小山作品、ここから:芝作品
ここから下:installation view

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3月31日(土)14:00~
トークイベント
ゲスト:小泉明郎(アーティスト)

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3月31日(土)18:00~
オープニングパーティー

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4月1日(日)15:00~
トークイベント
ゲスト:相馬千秋(アートプロデューサー、芸術公社 代表理事、立教大学特任准教授)

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4月8日(日)15:00〜
Pre Ongoing School
作家本人による展示作品の解説を交えてのレクチャー。お好きなケーキとお飲物がついてきます。

芝愛弥葉(しばあやは)は、2014年女子美術大学を卒業し、主に映像や詩、ドローイングなどを 創作しているアーティストです。在学中より映像作品を中心とした制作を始めました。芝が作品の創作を通じて試みるのは、虚無への抵抗です。芝が語る虚無とは、自分だけの世界に入り込んでしまい、他者から断絶された状況のことを指します。「ハワイに行ったときテレビで番組表が流れてきて、それがずっと続くように感じた。自分とテレビ、世界はそれだけになって、自分の意識は映像にがんじがらめになってしまう」と、自身の「虚無」の体験を語ります。
最近では、テレビのほかにも、人の意識を独占するモノが、人々の生活の中にあふれていますが、それらに取り囲まれた私たちは、自分が彼女の言うような「虚無」の状態に置かれていることに気付かないでいます。芝の作品は、いつの間にか私たちの心に巣食った「虚無」を顧みる機会を与えます。
自分自身の夢や書きなぐった言葉から作り始めるという彼女の作品は、夢幻的であり、繰り返される行為をどこかで断ち切りたいと思わせます。延々に続くかと思われる繰り返しの途中、その虚無を打ち壊す象徴としての事件が起こります。息を詰めて作品を見つめる私たちも、その瞬間を待っているのです。
小山渉(こやまわたる)は、2016年に東京造形大学を卒業し、主に映像作品を創作するアーティストです。小山は映像作品を作り始めた頃から、「幽霊」を人が創り出したモチーフとして意識しています。学生時代、学校へ足が向かわなかった時期があり、そこで経験した世界との乖離や遅延が、幽霊という存在にシンパシーを感じるきっかけとなりました。
幽霊という言葉は煽動的であり、怪談として消費される側面を持ちますが、東日本大震災の被災地の人々が当時のことを幽霊を通じて外に向けて語り始めたという事実に小山は着目しました。被災地から遠く離れた場所にいる人々が抱く、報道を通じて震災を事実だと理解しながらも、やはり他者でしかないという感覚。小山は、この「他者でしかない」という感覚を、震災という出来事が持つもうひとつのリアリティとして描き出そうとします。
小山は、自身の表現活動について、「美術は、どう他者と寄り添っていけるか、わからないものとどう向き合うかを考える手段の一つである」と語ります。一見、内省的な営みのように見える作品でありながら、その作品の意識下には他者の存在・まなざしが深くかかわっているように感じられるのは、こうした表現活動に対する小山の考え方によるものではないでしょうか。
今回の展示『escape』では、逃げるという選択肢から浮かび上がる可能性を考えます。虚無やトラウマ、ふとした瞬間に心によぎる、他者に対する無関心。それらに直面したとき、私たちはどうにかしてそれらから逃げようと試みます。しかし、逃げるとは、諦めることではないのかもしれません。前に進んでみたり、後ずさりしたり、あるいはちょっと立ち止まってみたり。芝と小山、二人の作品は様々な「escape」の形、そしてその先にあるものを提案してくれるでしょう。この機会にぜひ、多くの方にご覧いただければと思います。
(高橋萌香)

小山渉

アーティスト。1992年生まれ、2016年東京造形大学卒業。人間の精神や想像力への関心をベースに、映像や写真、インスタレーションなどを発表を行う。近年は精神福祉施設で働いたことをきっかけに精神疾患にまつわる作品を展開して […]

芝愛弥葉

1990年、神奈川県生まれ、東京を拠点に活動。2014年、女子美術大学 絵画学科 洋画専攻修了。2019年、映画美学校 第22期 初等科 フィクション・コース修了。 アーティスト、映画監督として活動し、映像、インスタレー […]