Boat ZHANG
張 小船 Boat ZHANG(ボート・チャン) 1983年中国生まれ、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ卒業、2016年から、主に上海と日本 を拠点として活動。2020年、上海から東京に移住。 アートは視覚性や審美性 […]
2022.10.19 [水] - 2022.11.06 [日]
水木金 18:00‒21:00|土日 12:00‒21:00(月火定休)
主催:Art Center Ongoing
私、張小船 Boat ZHANG(ボート・チャン)はコロナの流行で東京に足止めされ、日本人と結婚して、上海に置いてきた大好きなドレスや海賊版映画DVDを取り戻せずにいます。上海に戻るまで、髪は切らないことに決めました。いま、私の髪は腰まであります。耳から腰までは2年10カ月の長さです。
キューバ人アーティストの親友であるHamlet Hamlet LAVASTIDA(ハムレット・ラバスティーバ)は去年、ある作品のためにキューバ政府に逮捕され、亡命させられた。当時、キューバでは非常に大規模なデモ行進で多くの人が逮捕された。その後、もう一人の親友であるReynier Leyva NOVO(レニエール・レイバ・ノボ)も家族と、ハバナから海の向こう側のヒューストンに亡命した。今回の展覧会で、2019年に制作したキューバに関する作品を再び観ました。その中に出てくる私たち3人の会話には苦笑いをするしかなかった。最後に一緒にいたのは2019年のハバナの空港ですね。私、ハムレット、レニエールは、ガソリンが見つけなかった車を置いて、3人でチェックインカウンターまで走りました。前に何が待っているかわからない、全力疾走の感覚を今でも覚えています。その後世界はすっかり変わりました。ハムレットとレイニアと私の人生もすっかり変わりました。歴史の偶然で変わった個人の人生に興味を持つようになった。
1960年代にパリにいた中国人の画家常玉 SANYU(サンユー)が晩年、友人に誘われて台北で教えることになった。絵は先に台北に送られたが、常玉は出発前にどうしてもエジプトに旅行に行きたいので、当時の中華民国(台湾)のパスポートを中華人民共和国のパスポートに交換した。そのために結局、台北には行けなかった。そして、翌年パリのアパートでガス中毒で亡くなった。彼の晩年の絵に描かれた動物たちは、人間と同じように感じられます。最後の絵は「孤独の象」というタイトルだった。 オランダ人Bas Jan ADER(バス・ヤン・アデル)は、19歳のとき、ヒッチハイクでモロッコに渡り、そこでアメリカ行きのヨットの甲板員として契約した。ヨットはカリフォルニア沖で難破し、LAに残った彼は、アメリカでの生活が始まった。1975年に小さなボートでカリフォルニアからヨーロッパまで大西洋の横断を目指したが、大西洋に消えていった。奇跡を求めるという、最後の作品だった。 1960年代の終わりにロックバンドLes Rallizes Dénudés(裸のラリーズ)のベーシストだった若林盛亮は、赤軍への信仰から飛行機をハイジャックして北朝鮮に亡命した。テロリストと呼ばれ、現在も指名手配されている。 兵役を避けるためにメキシコへの援助プロジェクトに参加し、それ以来メキシコに住んでいるアーティスト。 青年期に銀行強盗をし、獄中で哲学を独学で学び、晩年自殺した哲学者。 安楽死を選択した映画監督。 生け贄に選ばれ「宇宙犬」と呼ばれた元モスクワのストリートドッグ。 壮大な歴史の中にある人々の些細で不可解な感情や、思いがけず変わってしまった運命のようなものを見つけてみたいと思いました。
過去の人、亡くなった人、今もアート(システム)に携わっている人、アート(システム)からドロップアウトした人、スターアーティスト、伝説のアーティスト、あるいは無名のアーティスト、私の親密な友達のアーティスト、私のことを知らないけれど私は勝手に親密な友達だと思っているアーティスト、など。彼らは私の記憶や画面の中に無秩序に現れています。彼らは私と同じように、この瞬間に、この世界の別の時空で存在している/した、私が液晶画面で繰り返し観て、読んで、共感している人たちなのです。私は彼らの作品に惹かれていますが、この展覧会はそれ以上に、わがままに生きた彼らの生涯にオマージュを捧げる。今回の展示はほぼ全編プロジェクションで表現され、電源が切れると、すべての映像や感情がなくなり、まるで幻や白昼夢のようです。
ハムレットは展示の誘いに無反応で、レニエールはメールに突然現れて、そしてまた消えた。東京在住ルーマニア人の写真家Alin HUMA(アーリン・ヒューマ)とはインスタグラムのメッセージで断続的に交流しているが、いつも「けんか腰 ⇔ インスピレーション」のループでやり取りしていた。アーリンは日本語の「喧嘩」はノイズという意味だ、と言った。ノイズは実は美しい。彼はこの展覧会の中でもノイズ、あるいは不可視の穴、少し開いた窓のような存在だと思います。
最初、この企画展は「帰れない人」をテーマにしたいと思っていたけれど、挫折を繰り返しているうちに、ふと気がつくと、現代を生きる私たちにはもはや「帰るべき場所」が失われていました。「かえれないわたしたち」。「帰れない/帰れる」は過去に向かうことであり、「変えれない/変えれる」は未来に向かうことです。 まるで身動きがとれないような状態に陥っている、それが現在なのでしょう。 残るは永遠の現在のみ。60年以上前に人間が宇宙に打ち上げた犬のライカは記念切手のイメージになった。その記念切手は今またTシャツのおしゃれなイメージになっている。
外来種の植物であるローズマリーは、そのエキゾチックで豊かな香りを窓から放ち、3週間の展示期間中に根を伸ばしていきます。
今あるものから始めよう、とアーリンは言った。 A beautiful idea, unfold.
※この展覧会は、アーティスト張小船 Boat ZHANGが勝手にキュレーションし、勝手に設置したもので、連絡を取らなかった/知らされていない「参加」アーティストには申し訳ない!作品はほとんど作家のウェブサイトやYouTube、Instagram、メーリスなどで見つけました。幸いなことに、この人たちはみんな私と同じ「Band of Outsiders」(超法規的な人たち、ゴダールの映画『 はなればなれに』の英語題名)。文明や正義がすぎた今では、勝手にやるのは贅沢かもしれないね。
注:Reynier Leyva NOVO(レニエール・レイバ・ノボ)は2018年に展覧会のために来日した。しかし、彼の作品は国際交流基金の検閲を受けた。その後、レニエールはArt Center Ongoingでトークをした。私たちは、ここで初めて出会った。
10月21日(金)19:00-
オープニングパーティー
1,000円(軽食+1Drink+入場料)
10月27日(木)18:00-
ライブパフォーマンス
VOQ+松本力+村田峰紀+ボート・チャン
ジャム(即興)
1,000円(1Drink+入場料)
10月28日(金)19:30-
はなせないことをはなす -CRITICAL IMPULSE TALK SERIES- Vol.04
1,000円(1Drinkオーダー、先着30名様)
ゲスト:会田誠
https://www.ongoing.jp/news/hanasenai04/
10月29日(土)19:00-20:30
フィルムスクリーニング
【The Obsessives(夢中になった人たち)】
監督 Director:YAO Laijiang(イオ・ライ・ジアン)
出演 Cast:LI Liao(リー・リャオ)
2021年|90分|中国語、英語字幕付 Language: Chinese with English subtitle
1,000円(1Drink+入場料)
上海を拠点に活動する中国の小説家YAO Laijiang(イオ・ライ・ジアン)が監督したパフォーマンス系映画。主演はパフォーマンス・アーティストのLI Liao(リー・リャオ)。文学や映画の歴史には、何かに夢中になって、取り憑かれたように忘我の境地でそれに身を投じた人々がたくさんいる。本作は人間の葛藤を描いた俗に言うドラマチックな物語ではありません。社会における人の運命や状況を強調するのではなく、人の精神的な様子を見せたいのです。また、人類学的な視点で、社会的なマイノリティの個人やグループ描写も含まれていますが、田舎のような空間を再定義する試みでもあります。 この映画は、中国の古典である「西遊記」にオマージュを込めたものです。
10月30日(日)15:00-
オンゴーイングスクール
1,000円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
11月5日(土)19:00-
Ongoing Collective 野外上映祭ふたたび!
1,000円(Drink+入場料)
“越後妻有 大地の芸術祭 2022″で発表した、Ongoing Collectiveの野外上映祭の作品をArt Center Ongoingにて再上映します。5人のアーティストによる映像作品です!新潟では見逃してしまった方もこれを機にぜひ!!
□上映プログラム
・
「芋穴のささやき」
鷺山 啓輔・池田 諒
4K CinemaScope 28.5min 2022
・
「熊に会えなかった」
鈴木 光
作品仕様:4K UHD 12min 2022
・
「愛を知らぬ巨人エチゴ・ザ・インパクト〜令和4年のベルトルト・ブレヒト〜」
そんたくズ
FHD 9.5min 2022
・
「とど 風mix」
大木 裕之
仕様:FHD 14.5min 2022
・
「山清ければ人篤く、水清ければ人正し」
和田 昌宏
作品仕様:4K UHD 23min 2022
張 小船 Boat ZHANG(ボート・チャン) 1983年中国生まれ、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ卒業、2016年から、主に上海と日本 を拠点として活動。2020年、上海から東京に移住。 アートは視覚性や審美性 […]