小山渉
アーティスト。1992年生まれ、2016年東京造形大学卒業。人間の精神に一貫した関心を寄せ、感情や精神病理、死生観などを題材に、映像作品を中心に作品制作を行う。近年は、作家自身と被写体との親密な関係性の中で表出する語りや […]
2023.05.17[水]_ 2023.06.04[日]
12:00‒21:00(月火定休、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場料: 400円(セレクトティー付き)
小山渉(こやまわたる)は1992年東京都生まれ。東京造形大学を卒業後、個展をはじめ様々な展覧会に参加。近年では、三菱商事アート・ゲート・プログラム2021-2022のブレイクスルー部門に採択されるなど、これからの活躍が期待されるアーティストです。
小山はこれまで人間の精神に関心を寄せた作品を多く制作してきました。題材となるのは、感情や精神病理あるいは死生観といったもので、映像作品を中心に日常生活ではあまり触れることのない、もしくは現代社会では暗に包み隠されている事象を淡々とあらわにします。
小山自身がその時の記憶や感情を残したいと感じた日に、1分の制限時間の中で残したいと考える”最期の言葉”(遺言)を記録する映像作品『最期の1分』(2020〜 ※ライフワークとして死ぬまで記録を続けていく)や、統合失調症の可能性があった実の姉を亡くした精神科医の友人とのやりとりをもとに作り上げた映像作品『心臓が動いている』(2021-2022)など、小山が描き出す、繊細で複雑な人間の持つ精神世界を捉えた作品を前にすると、その生々しさから一瞬目を背けたくなるのと同時に、いつの間にかグッと惹き込まれている自分に気付かされます。
Art Center Ongoingでは初個展となる今回の展覧会『Snap out of it 正気を取り戻せ』では、3つの作品が発表されます。小山は、今回の展示を「まともについて」を考察する試みと話します。3つの作品はバラバラのようでいて、その一つ一つをじっくりと体験し終え、今一度全体を俯瞰してみると、そこに一貫した「問い」を感じ取ることができるでしょう。
あなたはまともですか? この社会はまともですか? そして、私はまともですか?
一度踏み入れたら、逃れることのできない小山渉の作品世界。その魅惑の領域に、ぜひこの機会に多くの方々に思い切って踏み入れていただければと思います。
以下、小山本人によるStatementです。
春の季節は昔から変な人が多くなるとよく言われます。その理由は冬から春を迎えることによって起こる寒暖差による自律神経の乱れや交感神経の鈍化、動物として本能的に発情期を迎えるといった諸説が語られます。私も近頃は人と会いたくない気持ちから、夜中に一人でウロウロ徘徊するようになり、引きこもりの時を思い出して、なんだか落ち着きがない日々です。
変な人、まともじゃない人というのはどういうことなのか。普通ではないということだから、いわゆる社会規範から逸脱した状態なのだろうと想像します。解放された状態というのは何とも清々しい、気持ちがよいイメージも想像しますが、多くの人々と異なる振る舞いというのは、やはりどうしても他者からは理解されず、畏怖や侮蔑の対象となることの方が多いかもしれません。他者を傷つけるようなことであれば、なおさら許されないことでしょう。しかし、例えば規範や倫理を気にしない行為が、個人にとっての正気を取り戻そうとする抗いなのだとしたら、それは、ある意味でまともであるような気もします。何が狂っていて、何がまともであるのか。そもそも個人の数だけ正気があるのだと思いますが、混乱が著しい社会では、正気について判断することはより一層難しいように感じます。
展示タイトルの”Snap out of it”とは、「さっと立ち直る」「目を覚ませ」「正気を取り戻せ」という意味を持ちます。その言葉を考える時、逆説的にそもそもまともであるとは何なのか、と問われているような気持ちにさせられます。本展では、Snap out of it という言葉を軸に、正気や狂気、社会的規範や倫理観にまつわるいくつかの作品展示を行い、「まともについて」を考える試みです。
5月20日(土)18:00–
オープニングパーティー
1,000円(軽食+1Drink+入場料)
6月3日(土)13:30-
トークイベント
ゲスト:堀内奈穂子(AITキュレーター)
1,000円(1Drink+入場料)
6月4日(日)15:00-
オンゴーイングスクール
1,000円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
アーティスト。1992年生まれ、2016年東京造形大学卒業。人間の精神に一貫した関心を寄せ、感情や精神病理、死生観などを題材に、映像作品を中心に作品制作を行う。近年は、作家自身と被写体との親密な関係性の中で表出する語りや […]