阪中隆文
1989年東京生まれ。写真・映像・インスタレーションを制作する。暗渠、ビルの天井裏、床下、古墳、空き地など都市や建築の周縁的領域に着目し、遊びのような行為によってアプローチする。1964年の東京オリンピック政策によって埋 […]
2024.2.7[水]_ 2024.2.18[日]
12:00‒21:00(月火定休、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場料: 400円(セレクトティー付き)
この度、Art Center Ongoingでは、阪中隆文による展覧会「パ 育児のパロールん」を開催します。
阪中隆文は1989年東京生まれ。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業後、映像や写真、パフォーマンスなど、様々なメディアを横断して制作を続けるアーティストです。過去には、「床に足をつけない」というルールのもと、壁や天井にロープや板材を設置しながら、12日間ギャラリーで生活を続けるなど、厳しいルールや身体への負荷を作家自身に課すパフォーマンス作品などを制作しています。
2021年にArt Center Ongoingで開催した『ATOPIC SEARCH FOR ATOPIA』では、「痒み」に焦点をあてた作品を展示しました。映像作品から聞こえてくる体を掻きむしる音声や、ビジュアルのイメージによってもどかしくも捉えにくい「痒みという」身体的感覚に新たな視点を与える試みでした。作家自身の考察や興味を、実験的、遊戯的な演出を用いて、ダイナミックに、時に生々しく追求していく阪中の作品は、私たちに、アートの特権たる馬鹿馬鹿しさによる小気味良さと、既成概念への揺らぎを与えてくれます。
今回の展覧会のタイトルの元になった「パロール」という単語は、言語学の分野で、社会的な言語のコードやルールを指す「ラング」に対して、特定の具体的な場所、個々の場面での言語行為、発話行為を指します。阪中が、「六年間の子育てのフィードバック」と語るように、本人が子育ての中で経験した「言語」への関心から作品は制作されました。赤ちゃんは、経験によって形性されていく言葉への信頼性(ラング)を、大人と比べてほとんど持っていない、いわば「究極にパロール」な状態です。そんな子どもが大きくなっていく過程の観察を元に、言語の習得によって人間(あるいは赤ちゃん)が何を獲得し、また何を失っていくのか、内面的な変化と言語の関係性についての考察などがテーマとなっています。
今回発表する映像作品の中では、まだ言葉を正確に話せない小さい子どもたちに対して、阪中が言語についてのレクチャーを行っています。言葉とは何なのか、大真面目で易しい語り口で阪中が話し始めます。言語によって私たちが受けている制約を語り、未言語のユートピアについて真剣に主張し始めます。 作品の中で提示されるテーマはシリアスで概念的なものですが、映像自体は赤ちゃんの動きや阪中の言葉のリアルさと、本人の作品に共通する素っ頓狂なおかしみで溢れています。ぜひ、多くの人に「パ 育児のパロールん」を見にお越しいただけることを願っています。
(Art Center Ongoing ヤマモトオル)
2月10日(土)19:00-
オープニングパーティー
1,000円(軽食+1Drink+入場料)
2月11日(日)15:00-
オンゴーイングスクール
1,000円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
2月17日(土)19:00-
トークイベント
ゲスト:川崎昌平(作家・編集者)
1,000円(Drink+入場料)
川崎昌平
1981年埼玉県出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了。作家・編集者、京都芸術大学通信教育部芸術学科文芸コース主任講師、東京工業大学および昭和女子大学非常勤講師。主な著作に『重版未定』(全3巻、中央公論新社)、『労働者のための漫画の描き方教室』(春秋社)、『売れないマンガ家の貧しくない生活』(KADOKAWA)などがある。
1989年東京生まれ。写真・映像・インスタレーションを制作する。暗渠、ビルの天井裏、床下、古墳、空き地など都市や建築の周縁的領域に着目し、遊びのような行為によってアプローチする。1964年の東京オリンピック政策によって埋 […]