山本篤
1980年、東京都生まれ。多摩美術⼤学絵画学科油画専攻卒業。現在、東京を拠点に活動。現代社会が抱える問題を切り口にしたフィクション作品からごく私的なドキュメンタリー、コント的な実験作品など多彩な映像作品を意欲的に制作する […]
2024.1.6[土]_ 2024.1.21[日]
12:00‒21:00(月火定休、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場料: 400円(セレクトティー付き)
新年の初めのOngoingの展示を山本くんにお願いするようになってから気づけば10年以上が経っている。Ongoingでは同じ作家に毎年続けて展示をお願いすることはないから、私にとっては、2年に一度だけもらうことのできる、首を長くして待ち続けるお年玉のようなもの。特にここ数年はコロナがあったり、個人的にも海外での長期滞在があったことも関係して、Ongoingでは実に4年ぶりの山本くんの個展である。期待しないわけにはいかない。
このお年玉、毎回袋の中身が違う。いつの間にやら、日本有数のコマーシャルギャラリーに所属し、誰もが知る美術館の展覧会にも名を連ねる作家に成長した山本くん。通常ならば、これという確固とした作風があってもいいところだが、そんじょそこらのアーティストとは違うのです。彼のイマジネーションという名の暴走(あるいは妄想)を止めることは誰にもできない。本当に同じ作家から生み出されたのかと疑ってしまうほど、多種多様な映像作品が山本くんのポチ袋からは飛び出してくる。
短編映像のオンパレードだったこともあれば、長尺の作品をビシッと上映したり、あるいは二つの映像画面をリンクさせた作品なんてのもあったし、多数のモニターやプロジェクターで構成する映像インスタレーションだったこともある。ただそれらに共通していることもあって、そのどれもが簡単には理解できない「マジでなんなのこれは?」と、はてなと笑いが、もれなくドドドドって押し寄せてくるのだ。そして4年も待ち続けた今回も、もちろん、ドすごかった。
エレベータで突如ブチ切れるサラリーマン、理想の国について語るエセ批評家、終わることのない日常生活のピンボール(傑作です)、エモい情景が脳裏にはっきりと浮かぶ文章の作品なんてのもあった。一つ一つを見ながら、山本くんは、仕事をしている時でも、家族といる時でも、一人でいる時でも、もしかしたら寝ている時でさえ、作品のことだけを考えているのではないかと少しゾッとしたのだが、ただ今回は、想像力の枯渇や限界についても死神をモチーフとして描いていた気もして、超人ではない生身の人間としての山本くんも垣間見られた気もしたり。と思ったら屋上からはそんな人間の営み全てをメタ視点で見下ろすかのようなドラム音が休むことなく鳴り響いているのであった。
山本くんのお年玉袋から出てくる、どの作品が心に響くのかは、観る人によってきっと違うのだろう。こうして久しぶりに彼の作品についての文章を書いてみても、その面白さに少しでも近づけた気も、何かを伝えられた気も全くしないのだけれど、おそらくそれでいいのだ。コンセプトや批評文を読むだけでなんとなくわかってしまう現代アート作品と山本くんのそれとは別物なのだから。だから、実際に観て体験するしかない。そして自分はあの作品がよかったとかあれはダメだったとか、観たもの同士で話すしかないのだ。その瞬間、山本くんはあの上空からのメタ視点で、ほくそ笑んでいるに違いないけど、それでもいいから、私はこの山本ワールドのリズムで今年も踊り続けたい。彼からのお年玉をもらった誰かと一緒に。
(Art Center Ongoing 小川希)
1月6日(土)19:00-
新年会というの名のオープニングパーティー
1,000円(軽食+1Drink+入場料)
1月7日(日)18:00-20:00(17:30開場)
Vendy Methodos 来日トーク!
1,000円(1Drinkとインドネシアのおやつ付き)
インドネシアで行われていたBiennale Jogja 17 2023の様子や、Vendyの育ったジョグジャコレクティブのリアルを、インドネシアのおやつを食べながら伺います。
聞き手:小川 希 通訳:前田佳子(ARTiL)
Vendy Methodos
インドネシアのジョグジャカルタで活動しているアーティスト。2006年から「Stalker」という名前でストリートアーティストとして活動を始め、2011年に「Methodos」と改名し、現在に至ります。Vendy Methodosの作品は、彼の個人的な経験や瞑想の反映であり、壁画、絵画、バティック、彫刻、本、アートプリントなどを含みます。彼の作品はしばしば、人間に似ていない奇妙な図形と、挑発的でフロントの社会政治的批判を含むテキストで構成されています
2015年には、フランスのパリにあるパレ・ド・トーキョで開催された「Archipel Secret」展、2016年にはカタールのドーハにあるバージニア・コモンウェルス大学(VCU)での「Issueism」展に彼の作品が展示されました。
インドネシアコレクティブ「ゲゲルボヨ」として瀬戸内国際芸術祭2022に参加、「BIENNALE JOGJA17 2023」に、芸術監督として参画。
1月13日(土)19:00-
【IBC presents】 漬物で呑まNIGHT★
1,000円(漬物+1Drink+入場料)
IBCのメンバーがそれぞれ漬物を持ち寄って、それをツマミにお酒を飲むイベントです。
漬物の持ち込み大歓迎。
新年らしく、まったりといろいろ話しましょう。
1月21日(日)15:00-
オンゴーイングスクール
1,000円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
機材協力:ShugoArts, 奥多摩美術研究所
1980年、東京都生まれ。多摩美術⼤学絵画学科油画専攻卒業。現在、東京を拠点に活動。現代社会が抱える問題を切り口にしたフィクション作品からごく私的なドキュメンタリー、コント的な実験作品など多彩な映像作品を意欲的に制作する […]