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This There, That Then, Then Here, Now This

Fionn Duffy

2016.09.21 [水] - 2016.09.25 [日]
12:00-21:00 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)

As I attempt to write something to add to your understanding of this exhibition I find myself oscillating between wanting to fully explain each part, so your experience of the artwork falls in line with mine, and writing nothing, allowing a completely subjective experience for the viewer.
However, in reality there is no dichotomy; when everything is explained, we still form our own interpretations, and even when nothing is explained, the work has come from me; essentially I cannot silence my own voice, and neither can I silence yours.
And so we arrive at this point, where understanding is subjective, and all there is to do is to enjoy it. Perhaps this is what this exhibition (maybe every exhibition?) is centred on, finding an understanding, communicating in a common language, drawing our own conclusions.
What I will say is this. Here is an attempt to navigate the plurality of place. Of domestic and urban space. Of metric time and physical time. Of IRL and URL.
Never fully in one place, we exist across platforms, institutions, territories and social media. Relating the body to an image/text-centred world, a space of invisible hands, fingers on keyboards as headphones create a sonic bubble; is it possible to exist only in the present?
And how do we share this present-ness, as social creatures?
Maybe this work of translation is only amplified as a foreigner – the continuous attempts to understand and to be understood; to find a place in common.
Fionn Duffy

作品を読み解く手がかりを何か書こうとするにあたって、私は今ふたつの考えの間を行ったり来たりしています。それは、すべての部分をくまなく説明し、私が作品に込めた思いをそのまま理解していただくのが良いのか、それとも、何も書かず作品を見る方それぞれの解釈にお任せした方が良いのかということです。
しかしながら現実は、きっちりその二つに分かれることなどありません。全てがきちんと説明されたとしても、人はそれぞれ自分の解釈でそれを受け取ります。また、何も説明されなかったとしても、その作品には既に私の思いが込められているのです。本質的に私は自分の思いを全くお伝えしないことなどできませんし、みなさんに独自の解釈をするなと言うことなど不可能なのです。
つまり作品をどう読み解くかは見る方の主観によるものなのだから、私が言えることはただ作品を楽しんでいただきたいということだけなのです。おそらくそれこそが、この展覧会 (もしかしたら全ての展覧会かもしれません) が望むことではないでしょうか。作品を読み解く鍵をみつけ、作品との会話を楽しみ、そして見る方それぞれの解釈をするのが展覧会というものです。
ただ私は作品に関してこれだけ言っておきます。これは場所の複数性をナビゲートする試みです。家庭的な場所や都会的な場所、メートル法の時間や身体的な時間、現実の世界やインターネットの世界など場所にも色々あります。
私たちはひとつの場所にとどまらず、プラットホーム、機関、領域、ソーシャルメディアに散在しています。ヘッドホンから沸き立つ音を聞きながら指ではキーボードをたたき、相手の見えない画像や文字データ中心の世界に身を置く。「現在」だけに存在することなど可能なのでしょうか?そして社交的な生き物である私たちはどのようにその「現在」を他の人々と共有することができるのでしょうか?
作品を読み解く手がかりを書いていたつもりですが、もしかしたらさらにみなさんを混乱させてしまったかもしれません。理解しようとすること、そして理解されようとすることは終わることのなき挑戦です。そして共通の「場所」をみつけることも。
フィオン・ダフィー

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9月24日 (土) 19:00~
フィオンのOngoing AIR 滞在報告会
Ongoing AIR(オンゴーイング・アーティスト・イン・レジデンス)第17弾、
スコットランドからやってきたフィオンことFionn Duffy。フィオンが見た日本、東京、そしてオンゴーイングはどんなものだったのか。
お別れパーティーをかねた報告会を開催します。
ぜひ皆様、お気軽にご参加ください。

Fionn Duffyは1991年生まれ、イギリスのグラスゴー出身、ロンドン在住。ブライトン大学でファインアート、彫刻を専攻し、2013年に学士号を取得。国内外の多数の展覧会やレジデンスプログラムに参加する気鋭の作家です。その表現方式は彫刻、写真、映像、インスタレーション、作曲、オーディオレコーディング、パフォーマンスと様々なかたちで展開され、独創的な世界をつくりあげます。
クラシック音楽の早期教育を受けていたという彼女は、とりわけ音環境がどのようにイメージの形成に影響し、可視化されうるのかということに関心を持って制作をしてきました。それは言語の発音から受けるイメージを彫刻や身体の動きに変換する行為や、汽笛の音など生活の中の音をもとに作曲するといった、ユーモアにあふれたアプローチで発信されます。
Ongoing AIRの滞在の中で、ダフィーはここ東京の音や匂い、光景に着想を得ながら、自身が追究する視覚・聴覚的コミュニケーションの新たな可能性について考えはじめました。そこで「This There, That Then, Then Here, Now This」と題された本展では、作品を通して鑑賞者と「場所」をめぐる対話を試みたいと語ります。異なる言語や文化、時間感覚の境界を乗り越えて、私たちは共通の「場所」を見つけ、それをシェアすることができるのでしょうか?
映像、彫刻、ドローイング、楽譜など多様な作品郡が奏でるフィオン・ダフィーの成果発表展。本展のために作家が寄せたテキストとともにお楽しみいただければと思います。
(滝澤幸子)

Fionn Duffy

Born in Glasgow, Scotland, 1991. BA(Hons) Sculpture Brighton University, UK, 2013Current interests hinge […]