和田昌宏
1977年東京都生まれ。2004年ゴールドスミスカレッジBA Fine Art卒業。自身が置かれている身の回りの生活環境や人物、展示場所に関係する人物や風土・風景などに反応しながら、サイトスペシフィックな彫刻やインスタレ […]
2021.01.20 [水] - 2021.01.31 [日]
12:00-20:00 定休:月、火 入場料:¥400(お菓子付き)
<会期中イベント>
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1月23日(土)19:00〜
オンゴーイング・スタジオ 2021/01/23
「餃子と油:食堂絵画、カレー屋、4月からなどについて」
ゲスト:福永大介(画家)
https://youtu.be/Wk9tjGav5JY
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1月24日(日)15:00〜
オンゴーイング・スタジオ 2021/01/24
Pre Ongoing School
https://youtu.be/co-R3uxrcao
作家本人による展示作品の解説を交えてのレクチャーを、インターネットで配信します。
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1月28日(木)18:00〜20:00
オンゴーイング・スタジオ 2021/01/28
「ラー油と商品開発:キュレーション、餃子、ラー油、美術などについて」
ゲスト:天野太郎(横浜市民ギャラリーあざみ野主席学芸員、札幌国際芸術祭2020統括ディレクター)
https://youtu.be/4jDP_KvUByk
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1月30日(土)18:30〜20:00
オンゴーイング・スタジオ 2021/01/30
「秘密社交クラブIBC私的本気餃子」
※展示会場が狭くなっておりますので、状況によっては人数制限をお願いする場合がございます。
和田ちゃんは豪快な男である。こと表現において、自身が思い描くイメージが達成されるのであれば細かいことは気にしない。展示会場を滑り台つきの流れるプールに変えてみたり、大量の肉をガンガンに焼いて強烈な臭いと煙でいっぱいにしたり、大勢の観客を前に脱糞しそれが会期終了まで展示され続けるなんてのもあったっけ。とにかく周りがどんなに心配しても「大丈夫っしょ」の一言で一蹴。もちろん大丈夫じゃなかったりすることも多々あるが、気持ちいいぐらいやりきっているので、巻き込まれた人々は「まあ仕方ないか」となるのである。 彼の思い描くイメージは毎回規模が大きくて、とかくお金がかかる。コンペで賞を獲ったり、大きな展覧会に呼ばれて潤沢に予算があったとしても、あっという間にそれらを使い切ってしまう。そして「なんだかよくわからないけどスゲー」みたいな作品をドーン!と生み出すのだ。表現のためならお金なんて気にしない、とカッコよく書いてあげたいところだが、Ongoingのキッチンにこっそり入り、どこかにタダ酒がないか、カフェスタッフにしつこく迫る後ろ姿を沢山の人に目撃されている。宴会で余ったであろう焼酎のボトルを見つけては「これ大丈夫っしょ」とおねだりする姿は笑えるが、作品によって常に懐が寒いのであれば仕方ない(のか!?)。 そんな和田ちゃん、ここ数年は大規模なインスタレーション作品は影を潜め、映像表現へとシフトしてきている。会うたびにカメラ、照明、マイクといった撮影機材が新調されていき、映像のクオリティーはどんどんと増していく。思い描いたシーンを撮影するために手の込んだセットを手作りで作っていたりもするが、アウトプットは映像であって、美術作品というよりも映画に近くなってきた気もする。役者を雇い、音声、カメラマンなど、自然とスタッフも増えていって、一昔前の和田ちゃんの表現とはまた違ったフェーズに入った感じだ。 勿論、映像表現であろうとも最終的に出来上がるのはやはり「なんだかよくわからないけどスゲー」という、まぎれもなく和田ちゃんの作品であるのだが、ここ最近少し気になることがあって、それは彼の口から出る感謝の言葉が増えたことである。沢山のスタッフと共同で作品を作ることが自身の制作の大半を占め、そうした言葉が紛れもなく本物であることは間違いないのだけど、どうしてだか違和感を覚えてしまう。長らくアートという荒野で一緒に過ごしてきた身としては、あの「大丈夫っしょ」という、テキトーで、いい加減で、でもなぜだか信じてしまえる和田ちゃんのあの豪快な感じを求めてしまうのである。 そうして腰の低くなったように思える最近の和田ちゃんを心配していた矢先、久方ぶりにOngoingでの個展を頼んだところ、何をやるのかと聞いたら「餃子屋」だという。あん? ニコニコしながら「昔からすごくいい絵画作品が飾ってある場末の餃子屋をやりたかったんだけど、こんなに早く夢が叶うなんて」とかぬかしやがっていて、なんだか少し安心したのであった。みなさま久々にあの何をしでかすかわかんない豪快な男が帰ってきます。食を振る舞うからといってもちろん関係性のなんちゃらとかであるはずもなく、ただただ、和田ちゃん手作りの本気の餃子がドーンと主役です。ギャラリーの壁が油でベトベトになったり匂いがとれなくなったり、ほんとに嫌で怖すぎるけど、これはもう、食べるしかないっしょ! 小川希(Art Center Ongoing)
1977年東京都生まれ。2004年ゴールドスミスカレッジBA Fine Art卒業。自身が置かれている身の回りの生活環境や人物、展示場所に関係する人物や風土・風景などに反応しながら、サイトスペシフィックな彫刻やインスタレ […]