二藤建人
1986 年、埼玉県生まれ。同県在住。言語化し理解する過程で取りこぼしてしまう感情や感覚、現代において獲得しにくい「実感」を、自身の身体によって過剰なまでに体験することで追及する。代表作には、自身が一枚布の雑巾となり世界 […]
2026.2.25[水]_ 2026.3.15[日]
18:00-21:00(水木)、12:00‒21:00(金土日)(月火定休)
入場料: 400円(セレクトティー付き)

この度、Art Center Ongoingでは、二藤建人による展覧会「私たちのstandpoint」を開催します。彫刻を中心に、写真や映像等を用いながら制作を行なってきた二藤は、接触や重力など、身体が作品にもたらす影響に一貫して強い関心を抱いてきました。
二藤にとって二度目のOngoingでの個展となる本展は、彫刻作品《standpoint》と映像作品《OPEN HOME WINDOW》の二つを軸に展開されます。
《standpoint》は、二藤が学生時代に制作した同名の作品の延長線上に位置付けられる彫刻作品です。この作品は、石膏をまとわせた麻の繊維を床から垂直になるように持ち、石膏が固まり自立するまで静止して待つことで完成するもので、二藤はこの「重力を可視化する」手法を《円環と脱出》(2012年)でも用いています。これらの作品では、石膏の重たさに耐えて数分間持ち続ける中で、次第に石膏の方が杖のように手を支えるようになり、支える/支えられるの関係が逆転していきます。二藤はワークショップ等を通じて、自分以外の他者にもこの体験をしてもらう中で、重力によって立ち上がるこの「柱」の傾きやかたちの微妙な差異を目の当たりにしてきました。本展の展示作品のひとつ《standpoint》はそうした気づきを出発点とし、10名強の参加者が展示室内で並び合いながら二人1組で向かい合って石膏を垂直に持ち、「柱」として自立する瞬間に立ち会うことで完成します。
《OPEN HOME WINDOW》は、2025年に制作されたドキュメンタリー。本作は野球経験のない二藤が、二人の子供たちに素振りやキャッチボールを通して指導をする様子を、野球指導者、そして母親という二つの立場の第三者に事後的に見せ、コメントしてもらうという形式で進んでいきます。映像の中で、二藤の指導方法と内容はしばしば、「野球指導者」と「母親」の双方からその不適切な点を指摘されます。親が親であるだけで知りもしないことを教えなくてはならなくなること、親であるだけで「正しく」なってしまうこと。閉じた中で行われる家庭内の教育は、例えそれが間違っていても明るみに出ないままです。二藤がこのように、子供との関わり方を映像という形で残すことにした背景には、数年前、インタビューを通して自身の「父親的な子育て」に気づかされた経験があります。積極的に子育てに参入するだけでは本当に母親の状況を対等に引き受けたことにはならない。子育ては必ず「周囲に迷惑がかかるもの」であるにもかかわらず、自身が男性であるが故に社会の目をあまり気にせずに済んでいた…。男性=強者側の理論を無意識下で内面化していたことを痛感したからこそ、二藤は自身の親としてのあり方を映像として客観的に残すという手段をとりました。
一見、これら二つの作品は全く異なるように思われますが、両者はともに、「身体の責任」というテーマに取り組んでいるという点で共通しています。自分が、自分や他人に対して、そこで起きたことに対して応答することで成り立つ作品たちを通して、鑑賞者にも自身の身体を省みることを促す二藤の表現を、この機会にぜひご覧ください。
(Art Center Ongoing 西島由依)
2月25日(水)19:00-
オープニングパーティー
参加費:1000円(入場料含む 軽食と1drink付き)
3月7日(土)19:00-
「HOYOUJYO Ongoingからの配信を観る会」
※別府よりオンラインにて:下浦萌香、山本篤、東野哲史 モデレーター:小川希
Art Center Ongoing主催で別府にて開催中の展覧会
『Encounter -邂逅 Beppu あるいは Ongoing-』
の展示会場とオンラインで繋ぎそれぞれが今立っている場所について話します。
参加費:1000円(入場料含む 1drink付き)
3月11日(水)19:00-
トーク
ゲスト:百瀬文
参加費:1,000円(入場料含む 1drink付き)

百瀬文
1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コース修了。映像やパフォーマンスを中心に、他者とのコミュニケーションの複層性や、個人の身体と国家の関係性を再考する。近年は映像に映る身体の問題を扱いながら、セクシュアリティやジェンダーへの問いを深めている。近年はアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の助成を受けNYにて滞在制作を行うなど、国内外で活動を行う。主な個展に「ガイアの逃亡」Gallery αM(東京、2025)「百瀬文 口を寄せる」十和田市現代美術館(青森、2022)、主なグループ展に「国際芸術祭 あいち2022」愛知芸術文化センター(2022)、「フェミニズムズ / FEMINISMS」金沢21世紀美術館(石川、2021)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」森美術館(東京、2016)などがある。
3月15日(日)16:00-
オンゴーイングスクール
参加費:1,000円(入場料含む お好きなケーキと1drink付き)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
協力:LEESAYA

1986 年、埼玉県生まれ。同県在住。言語化し理解する過程で取りこぼしてしまう感情や感覚、現代において獲得しにくい「実感」を、自身の身体によって過剰なまでに体験することで追及する。代表作には、自身が一枚布の雑巾となり世界 […]