Art Center Ongoing

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2024.04.17“未来進行形 2024”
学生限定!!
Art Center Ongoingを舞台とした展示企画募集

東京・吉祥寺にあります芸術複合施設 Art Center Ongoingでは、この夏、企画展公募「未来進行形2024」を開催します。唯一の応募条件は企画者及び参加作家が全員学生であること。
個展でもグループ展でも、Art Center Ongoingを舞台とした展示企画であればどんなものでもOKです。選出された企画には制作補助資金として10万円を提供します。
下記の募集要項をお読みの上、奮ってご応募ください!

<「未来進行形2024」募集要項>

募集内容:
Art Center Ongoingを舞台とした展示企画

応募条件:
企画者及び参加作家が全員学生であること ※個展、グループ展は問いませんが、一人の応募者から複数の企画を応募することはできません。

募集期間:
2024年5月1日(水)〜2024年6月30日(日) 必着

制作補助資金:
10万円

展示期間:
2024年7月31日(水)〜8月11日(日) ※搬入期間:7月29日(月)、7月30日(火)

展示会場:
Art Center Ongoing (〒180-0002東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7 ※井の頭線、吉祥寺駅北口より徒歩10分)

ギャラリー図面

応募料:
無料

応募方法:
以下の応募フォームより、
応募者情報、A3サイズの展示企画書(10MB以下のPDFファイル)、過去の活動がわかる資料(10MB以下のPDFファイル)をアップロードしてください。※googleのアカウントが必要です。

応募フォーム

応募締め切り:
2024年6月30日(金)(必着)

審査員:
飯山由貴(アーティスト)、片山真妃(アーティスト)、玉山拓郎(アーティスト)、山本篤(アーティスト)

結果連絡:
2024年7月8(月)までにメールにてご連絡します。

本件に関するお問い合わせ先:
info@ongoing.jp

審査員総評

片山真妃
展示内容が明確なレイアウトがある企画書や、過去作資料を見ても実力者が多い、展示期間中起こるであろう事柄がテーマな展示、こういう企画じゃなければ集まらなかったメンバー達と挑むというグループ展…
全ての企画書に目を通して、どの応募企画を選んでも良いなと思いました。なので、私の個人的な尺度で選んだ、私が、より観たいなと思う展示企画案を推してみました。根拠のない自信と実験的な試みが合わさって、最終的にどうなるのか分からない。でも、オンゴーイングという場(過去とんでもない伝説的展示が行われた場所)だからこそ実現できる、新しい流れを感じたものです。
この展示企画に選ばれなくて悔しい思いをした人は、そのエネルギーを発揮できる場所で実現してみてください。応募するにあたって、資料をつくったり、実現できるかわからない展示に想像力とエネルギーを使った事が素晴らしいと思います。
ねたみ嫉みは置いておいて、今年のオンゴーイング2024未来進行形企画展を観にいきましょう。
楽しみにしてます。


山本篤
応募してくださった皆さんの企画・ポートフォリオを見て、レベルの高さにまず驚きました。 次に、①自分が大学生の時に応募していたら、まず受からなかっただろう。②今応募したとしても受かるかわからない。と思いはじめ、最終的には、なぜ自分が、今も応募しているような公募に通らないかの理由がわかったような気がしました。
そんな有様なので、私が言えることは限られていますが、自分が票を入れた人を見てみると、自分の制作における関心にも近い「不可能性を前提に置きながら、可能性を感じさせる(社会に開かれている/解釈に広がりがある)」表現をしている作家の方が多かったように思います。(あとはやはりOngoingの場所性も考えて、まさに未来に向けて挑戦している企画が気になりました。) 
今回選ばれた方も、選ばれなかった方も、Ongoingという場所を見つけ、選び、自身の作品と企画をこの機会に提示したという行為に対して、私は同様に尊敬します。


玉山拓郎
一作家である自分が審査という立場で関わるために、展示を作る上での思考と態度を客観的に顧みながら、自身が重要視している、展示をすること自体の意義と、それらを形作る空間との関係性について考えられているか、という点に定めて審査させていただきました。大抵の作品はいつ何時でも、どんな場所であろうと自由に振る舞える訳ではなく、物理的にアウトプットされたそれらはあらゆる環境や状況と否応なしに関係が生まれ、あらゆる物事やその場所の特性が内包された上で、非常に複雑かつ高度に、時には奇跡的に、成立して存在しているんじゃないかと思うんです。
どの応募資料も作家性に富んだ魅力的なものばかりでした。
が、正直なところ、Ongoingという特異な場所での展示に対して、先ほど述べた事を含め、強い必然性を持って、或いはそれを求めて練られた企画書は数点のみでした。その中で僕が票を入れた方々は惜しくも選出されませんでしたが、応募したみなさんの、表現を強く信じ、共鳴し合う仲間と真剣に語らい、そうして生まれた何かをこの機会をもって実現しようと臨んだ事実はなくなりません。表現者としての責任とその態度に強く感銘を受けました。
選出されなかった皆さん、まずは同時代を生きる対等な作家同士として、悔しさは胸に秘めて批評性を持って実現される展示を見に行きましょう。選出された方はこの機会を存分に楽しみつつ、より高みを目指していって下さい。現状の想定をさらに超えて行ける力があると思っています。楽しみにしています。


飯山由貴
なるべく実験的なプランを選ぼうと思いました。来場者を「見る、聴く(だけの)人」という立場ではいられない状態におくプランを積極的に評価しました。これは単に私の興味感心と趣味なので、視覚聴覚的な表現に関する探究研究に重きをおいている応募者の方はミスマッチでごめんなさい。ただ、私が票を入れたうちのひとつは、来場者との関係においてはそんなに実験的ではないかもしれません。結局のところフィクションで、とても素朴かもしれないけれども、この世界の原理の操作を設定していたので、見てみたいなと思わせられました。
企画書を文字だけで作っていた応募者は、活動資料から、どんなに興味深く魅力的で誠実な実践をしているなあと推察されても、申し訳ないのですが、票を入れる対象からは外しました。空間に、あなたがなにをどのように配置するのか、展示期間中の時間と場所を使ってあなたが何をしたいのかを想像して、信頼して選びます。私はなるべくいろいろな情報が欲しかったです。その点で残念だなと思う方が数多くいたので、書き残しておきます。
その上で、企画書に書・描かれた情報から、展示室の内外で起きるであろうことを比較、検討してみたときに、それらだけでは決め手がなく、選ぶことができなくなる時間がありました。その時は、プラン/作品のタイトルにあたる言葉を比較しました。現在の美術は、そのタイトルだけでも作品を経験するうちのわりと大きな部分を占めていると思うし、個人ないしは集団の姿勢を表すものだと思うからです。最終的には、自分のことばで話して、表しているんじゃないかなという印象が強い応募者に票を入れました。
現代美術の展示公募というのは、一人ずつ異なる表現の実践をしている人たちを、審査員という恣意的なものさしが順位をつけて決定するという無理無理なことをするんだなと、今回初めて審査をしてみて、実感しました。私はものさしとして、異なる私、私たちにそれでもなお共通する何かにふれようとする、干渉しようとする試みを重く見たつもりです。
だから、今回の公募であなたが選ばれなかったことは、あなたは優れた作家でない、ということを意味しません。活動の資料を通して、出会えた仕事や表現はすばらしいものばかりでした。応募してくださったことに心から感謝します。引き続き、あらゆることから学んで、がんばりましょう。時々休みつつ。