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淺井裕介

1981 年東京都生まれ。同地在住。

淺井は、土、水、埃、小麦粉、テープ、ペンなど身近な素材を用い、あらゆる場所に奔放に絵を描き続ける。旅のチケットやコースターの裏に描かれた小さなドローイングから、室内を覆い尽くすような巨大壁画まで、作品を受け止める場所や環境にしなやかに呼応するように、その作品のスケールは様々です。

尽きることなく生み出される、植物、動物、人間、また動植物と人間のハイブリッドを思わせる神話的なイメージなどの根源的なモチーフは、画面に隙間なく併置され、大きな生き物の中に入れ子状に小さな動植物が現れるなど、ミクロの中にマクロが存在する生態系を表しているようです。

淺井の作品は、主に、各地で採取した土と水で描く「泥絵」シリーズ、アスファルト道路に用いられる熱溶着式路面標示シートをバーナーで焼き付けて描く「白線」シリーズ、マスキングテープに耐水性マーカーで描く「マスキングプラント」シリーズの三つに分類され、アトリエでの個人の制作にとどまらず、屋外の大規模なプロジェクトでは、友人やボランティアなど第三者との共同作業を交えながら制作します。変化を受け入れながら成長を楽しむように作られていくその過程は、都市に不足し必要とされる「野生」を植え付けていくかのごとくダイナミックに展開されます。

主な個展に、「なんか/食わせろ」(ANOMALY、2020 年)、「淺井裕介―絵の種   土の旅」(箱根彫刻の森美術館、2015-2016 年)、「yamatane」(Rice University Art Gallery、ヒューストン、2014 年)など。また、「生命の庭」(東京都庭園美術館、2020-2021 年)、「Shanghai Urban Space Art Season 2019」(上海)、「Reborn-Art Festival 2019」(石巻)、「武隆ランバ国際 大地芸術祭」(重慶、2019 年)、「横浜美術館 30 周年記念アートと人と、美術館」(横浜美術館、2019 年)、「生きとし生けるもの」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、2016 年)、「飛生芸術祭」(北海道、2015-2019 年   )、「瀬戸内国際芸術祭」(2013-2019  年)、「越後妻有アートトリエンナーレ 2015」、「ウォールアートフェスティバル」(インド、猪苗代、2010-2019 年)など、国内外のアートプロジェクトや展示に多数参加している。

2019 年、横浜文化賞 文化・芸術奨励賞を受賞。

(ポートレート撮影:武田陽介、協力:ANOMALY)