由井彩友香(ユイ サユカ)
2002年 長野県生まれ2025年3月 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業 展示歴2025年○2024年度武蔵野美術大学卒業制作展 (武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス)2024年○2人展「ウイルスとやじるし」(武 […]
2025.4.30[水]_ 2025.5.11[日]
12:00‒21:00(月火定休、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場料: 400円(セレクトティー付き)
この度、Art Center Ongoingでは由井彩友香と山口目納の二人展「うら=しゃかい」を開催いたします。
由井はこれまで、既製品が持つ仕組みや機能、イメージに関心を示し制作を行ってきました。誰にでも馴染みのある日用品が、由井の手によって従来とは異なる不自然な使われ方をしている姿は、どこかユーモアを感じさせます。制作の過程で対象物と深く向き合う由井は、「キモさ」を用いて既製品の機能や意味を逸脱させたいと話します。きれいな日本語とは言えないけれど身軽さも含むこの言葉は、作品の主題、作家独自の既製品の使い方、制作過程の行為といった様々な要素に含まれています。誰しもが嫌悪感を抱く身体的な「キモさ」から、作品を読み解いていくと現れる人によっては引いてしまうような「キモさ」など、由井はその程度度合いを持たせているとのこと。本来の文脈から移動させられた既製品たちの姿をじっくり見ていく中で、鑑賞者自身が苦い顔をしてしまう感覚がどこにあるのかが自然と浮かび上がってくることでしょう。
一方の山口はこれまで、自らの経験を題材とした制作を続けてきました。今回は、自身の身体そのものを問うような作品を中心に据えています。山口は作品作りやその態度において、二つの異なる可能性があった場合、片方の立場のみを取らず、どちらも選択もできる「中間地点」に立つような試みを行なってきたと話します。
広告を意識して作られた女性を題材にした作品では、どこにでもある氾濫したイメージや、フリー素材としての無名の身体である一方、他者との関係の中に存在する山口という個人を特定する身体のイメージが共存しています。また山口自身の口元が合成された魚たちの作品では、それぞれ何かを発言していますが、全く異なる二つの生物の身体が組み合わさることで、その言葉が意図するところや、言葉を発したのは誰なのかということを曖昧にしていきます。山口の生み出す展示空間には、ある人にとっては楽しさが、また別の人には不気味さとも捉えられる視覚表現が展開されています。対立する選択肢の両方を残す作品群は、鑑賞者にも山口の言う「中間地点」の態度を取らせようとしているのかもしれません。
由井が提示する直接は触れにくい「キモさ」や、山口が試みる中間の曖昧な態度は、規範や正義が重要視される今日の社会からは、あまり好まれないような、触れてはいけない領域と捉えることもできます。そしてその領域とは、まさにタイトルにある「うら」に存在しているとも言えるでしょう。そんな「うら=しゃかい」とはどんな場所なのでしょうか。二人の「うら」の表現は、鑑賞者が持つ「キモさ」の感覚を引き出したり、それぞれの態度の位置を明らかにしてくれるかもしれません。ぜひこの機会に、彼女らの作品との対話を通してご自身の中にある「うら=しゃかい」と向き合っていただければと思います。
(Art Center Ongoing 貞方梨七)
5月3日(土)15:00-
トーク
ゲスト:神山亮子(府中市美術館学芸員)
参加費:1,000円(入場料含む 1drink付き)
5月3日(土)19:00-
オープニングパーティー
参加費:1000円(入場料含む 軽食と1drink付き)
5月10日(土)19:00-
トーク
ゲスト:地主麻衣子(アーティスト)
参加費:1,000円(入場料含む 1drink付き)
5月11日(日)15:00-
オンゴーイングスクール
参加費:1,000円(入場料含む お好きなケーキと1drink付き)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
2002年 長野県生まれ2025年3月 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業 展示歴2025年○2024年度武蔵野美術大学卒業制作展 (武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス)2024年○2人展「ウイルスとやじるし」(武 […]
北海道生まれ2021年武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻入学2025年武蔵野美術大学同学部卒業 〈最近の活動〉2025年●2024年度武蔵野美術大学卒業制作展 〇武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス●由井彩友香・山口目納 […]