斎藤玲児
映像作家。1987年東京都生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。2008年より日々の生活の中で撮りためられた大量の写真と動画を素材とした映像作品を制作。東京を拠点に国内外で作品を発表。主な展示、上映会に『SCOOLシネマテ […]
2024.12.11[水]_ 2024.12.22[日]
12:00‒21:00(月火定休、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場料: 400円(セレクトティー付き)
この度Art Center Ongoingでは金川晋吾と斎藤玲児の二人展「信仰の経緯 / 寛容」を開催いたします。
金川晋吾は1981年生まれの写真家です。これまで発表した写真集『father』や『明るくていい部屋』に見られるように、身近で親密な他者を写し、自身との関係性を問うような表現を重ねてきました。
今回写真とともに発表するテキスト「信仰の経緯」は数年前に書かれたもので、「彼」という三人称視点で物語られています。これまで「父」や「叔母」「長崎」といった明確なテーマで写真を選択をしてきた金川ですが、このテキストを通して、作品を構成する現在の自己や、撮影した当時の自己といった、複数かつ時間的距離を保ちながら写真の選択を試みています。今回の写真は撮り溜められたものの、触れられてこなかった2010年ごろから2015年ごろのフィルムから選ばれています。過去、そして長い期間から自身の感覚を頼りに写真を構成する試みは、斎藤との二人展だからこそ可能であったと金川は話します。
一方の斎藤玲児は1987年生まれの映像作家です。日頃撮り溜めた映像を一つの作品として構成し、発表の都度ナンバリングしていきます。対象を極端な近接で描くことによって、その意味自体を揺るがしている、または無効にしていく手つきが特徴的です。
斎藤は今回の金川のテキストを通じ、展覧会のタイトルにもある「信仰」そして「寛容」について考えたとき、映像そのものに対して強い信仰心を抱いていることを意識したそうです。普段の制作においては、通常では価値を持ち得ないイメージを作品にしていくことに厳密に取り組んでいます。しかし金川のテキストに触発された斎藤は制作や、自身が生み出す作品が持つ、あるいは持たない意味への態度を変化させようと意識したのだそうです。その結果の一つが、これまで斎藤の作品には見られなかった、サウンドと映像の関係に現れています。
意味を持たせず映像を映像そのものとして成り立たせる斎藤と、ある一定のテーマで主題選択を行なってきた金川は、一見、対の存在であるように感じられます。しかし二人がお互いに良いものへの価値感覚や倫理は共通点を感じていると話すように、撮り溜められた莫大なイメージからの取捨選択作業を行う二人の制作方法を踏まえれば、そこに両者の眼差しの重なりを見出すことができるかもしれません。二人の作家の映像と写真への態度から生まれる表現をぜひこの機会にお楽しみください。
(Art Center Ongoing 貞方梨七)
12月14日(土)19:00-
オープニングパーティー
参加費:1000円(入場料含む 軽食と1drink付き)
12月22日(日)15:00-
トーク
ゲスト:滝口悠生(小説家)
参加費:1,000円(入場料含む 1drink付き)
滝口悠生(Yusho Takiguchi)
小説家。1982年東京都生まれ。2011年「楽器」で新潮新人賞を受けデビュー。2015年『愛と人生』で野間文芸新人賞。2016年『死んでいない者』で芥川賞。他の著書に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『往復書簡 ひとりになること 花をおくるよ』(植本一子氏との共著)『水平線』など。
12月22日(日)19:00-
オンゴーイングスクール
参加費:1,000円(入場料含む お好きなケーキと1drink付き)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
映像作家。1987年東京都生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。2008年より日々の生活の中で撮りためられた大量の写真と動画を素材とした映像作品を制作。東京を拠点に国内外で作品を発表。主な展示、上映会に『SCOOLシネマテ […]
写真家。1981年京都府生まれ2006年神戸大学発達科学部人間発達科学科卒業2010年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了2015年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻博士後期課程修了 ・主な個展20 […]