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普通に話そう

千葉正也キュレーション展

2021.02.17 [水] - 2021.02.28 [日]
18:00集合 18:30スタート 定休:月、火

私がずっと若かったころ、五十歳になればわかるようになるよと言われた。私は今五十歳だ。なんにもわかっていない。
ーエリック・サティ

お金を貯めていつか、アートセンターを建てたいんだ。美術について知っている知ってないに関わらず、話ができて、いつも最高に激しい作品が展示してある。そんな場所を作るのが夢なんだ。
ー小川 希

今回はオンゴーイングの過去作を展示に入れるキュレーションを考えてみる、という事をやります。
アムステルダムのアートセンター デアペルに2012年に行った時にやってた展示を観て驚いたのは新作とずいぶん前の白黒のパフォーマンスの映像(白黒フィルムの映像で終わりにデアペルのロゴが出てくるところから、この作品はデアペルで過去に発表されたものであり何らかの権利をデアペルがもっている事が予想される)が同時に展示してあったとこだった。こういうのオンゴーイングでも出来たら良いのにな、階段の壁の所にちっちゃいモニターで例えば和田ちゃんの昔のパフォーマンスの映像とかがあって、例えばポリティカルなテーマの企画展だけど厚みがでて、なおかつそれがそのスペースのアーカイブの中からサラッと出してるみたいなの出来たらカッコいいのになぁ、と思った。

デアペルのホームページのpastの欄をクリックすると見たい年の展覧会の一覧が選べるのだが、1番古いのは1974年のBarbara Bloomの展示を見る事ができる。こういう歴史的厚みみたいなのを感じさせるやり方ってヨーロッパの美術のカッコいいところだな、と素直に憧れる。

まとまった時間が経つと作品ってカッコよくなるよね、なんでだろうか。
きっと過ぎていった時代がアウラみたいに変容して映像の絵肌なんかに取り憑くんだろう。たとえば和田ちゃんの作品とかだってそういう風に扱われてるところが見てみたい。そうやって過去の作品が持っていたラディカルさをリスペクトを持って扱う事で現在の跳躍の高さが解るんじゃないか? もしかして、それをやらないスペースは成長しないまま擦り減るんでは?
草臥れた老兵をただ追い出すのでは無く、彼らの残骸でまだ遊べると思う。

そんな事をオンゴーイングはやった方が良いのではと小川くんに提案した所からこの展覧会は始まった。(まだまだ始まらないが。)

例えば12年前の作品を再制作してもらって、あるテーマをもって並べる。それだけでも面白い展覧会ができるはずと進言すると、「じゃあ正也やってよ」と小川くんに言われた。なんで俺がやんのよ?わけわかんないけど、言い出しっぺという事で、面白そうだし、タイミング的にバッチリ時間あるし、やってみる事になったというのがこの企画のはじまりです。

あまり事を急がずまずは小川くんと話すところから展覧会を作っていこうと考えています。
勿論僕は40になったけど、なにもわからいので皆さんにアドバイスを求めるのでメールか電話で連絡します。

千葉正也

第一夜ゲスト:大木裕之
第二夜ゲスト:百瀬文
第三夜ゲスト:利部志穂 伊佐治雄悟
第四夜ゲスト:衣川明子 青木真莉子
第五夜ゲスト:和田昌宏
第六夜ゲスト:Rachel Wong Chan Cho-Kiu
第七夜ゲスト:井出賢嗣 柴田祐輔
 チャンチさん、
第八夜ゲスト:地主麻衣子 オル太(めぐ忍者、チャンチ)
第九夜ゲスト:そんたくズ
最終夜ゲスト:齋藤春佳 高村瑞世
2019年の末ぐらいに、千葉くんにOngoingでの展示を頼んだところ、過去の展示を再構成するキューレーションのようなものだったらやれるかもという返事をもらった。吉祥寺のOngoingが一度閉まることもあり、オープンから13年間にわたる活動を振り返るような展示をやってくれるのだと勝手に思いこみ楽しみにしていた。
そろそろ会期も近くなってきたので、千葉くんに展示の内容を聞いてみたら、展示はしないとのこと。ギャラリーは空っぽの状態で、会期中ずっと話をするというのだ。お休み前の最後の会期ということもあり、僕はなんだか拍子抜けしてしばし言葉を失った。Ongoingが一度閉まるとわかってからここ1年余り、ものすっごく気合の入った展示がずっと続いていたことも影響していたと思う。
なんだか整理がつかないまま、ちょうどいま開催されている千葉くんの大規模な個展を観に行った。会場に一歩足を踏み入れた瞬間に千葉くんワールドが広がっていて、大舞台に気後れすることなく、これでもかと彼の素晴らしい作品が並んでいた。ゆっくり時間をかけてみていくと、そのいくつかに以前彼がOngoingで発表してくれた作品やパフォーマンスとの繋がりが垣間見えて、なんだかすごく嬉しくなった。そして、これまでOngoingで作品を発表してくれた沢山の作家たちの現在に、Ongoingでの経験が何らかでも繋がっているのなら、あの場を続けてきた意味は少しはあったのかもとぼんやりと感じだ。
さて今日から10日間、千葉くんとどんなことを話そうか。空っぽになったOngoingの空間を前にして、そこに流れるこれまでとこれからの時間を想像することで、それが再びここに集う作家たちそれぞれの未来に繋がっていくのだとしたら、とても大事なことだと思う。千葉くん、どうぞよろしくお願いします。
小川希(Art Center Ongoing)

千葉正也

1980年神奈川県生まれ。東京都在住。千葉の作品は、自作したモチーフを繰り返し用いたり、取り巻く環境や過去の出来事から採取したイメージをキャンバス上に再現したりと、自ら選んだ対象に何度でも立ち返り、能動的に関わるプロセス […]