陳楚翹 (チャン・チョウキュウ)
1990年香港生まれ、東京在住。陳楚翹の作品は絵画とミクストメディア・インスタレーションを中心に活動している。彼女の作品は、単調な瞬間を意図的に表現している。彼女は、⽇⽤品の状態や質感を描き出し、⼈間の日々の行動や反復、 […]
2025.2.8[土]_ 2025.2.23[日]
12:00-19:00 (月火)、12:00-21:00(土日、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場無料
ドクン、ドクン ドクドクドク ドクン、一人で歩き、二人で歩む。
「背中に重くのしかかる、もう一つの鼓動とともに歩めるのは、母だけだ」とディアスポラを生きる詩人オーシャン・ヴオン (Ocean Vuong) は書く。もう一つの生命と歩むとは、理想化された現代母性像で語られがちな、母子の生体リズムが同期することではない。むしろ、母と子はそれぞれの振動や息遣い、重みや揺らぎ、不規則なリズムを交差させつつ、時に衝突し乱れながらもやっと歩調を合わせようとしている。鼓動をいくつも抱える母の身体。そこには、充足と故障、補給と欠乏、愛情と暴力、喧騒と静寂がつねに渦巻く。
展覧会「もう一つの鼓動の重みと歩む」では、3名の女性アーティスト、チャン・チョウ・キュウ (陳楚翹) 、ロウ・ユックムイ(羅玉梅)、ボート・チャン (張小船) の最新作を紹介する。母、そして移民として、それぞれのアーティストが体験する日常と肉体のリズムの浮き沈みを重ね合わせた多声的な構成だ。日本で子育てをする母、そしてアーティストでもある3名は、新たな文化環境の中で自らのアイデンティティと心の居場所を再び定めつつ、もう一つの鼓動を抱え育み、絶え間なく相互形成が繰り返される深く複雑な層の中で「親密さ」と「育児」を探検している。
展示空間には、歩く、走る、切る、汚す、楽器を鳴らすなど、さまざまな音やテンポが押し寄せる。母であることや移民としての経験が引き起こす、不安定で自己を分断する感覚が空間に響く。膨らみ、ひび割れ、思い出し、忘れ、形を変える器である母の身体は展示空間をやさしく占有し、すでに存在する場のテンポや建築的特徴を揺さぶる。母の身体とその身体が担う母としての労働が、家そのものであり、家を作る営みであるならば、本展は、母と家の身体性に同感し、心を動かされ、抱きしめられることで、その意味を再構成するような、共感と共鳴が生まれる場となるだろう。
2月8日(土)
15:00-
キュレーターツアー
参加費:無料
16:00-17:30
アーティストトーク
参加費:無料
18:00–
オープニングパーティー
参加費:1000円(軽食と1drink付き)
2月16日(日)
14:30-
作品解説ツアー
参加費:無料
15:30-
茶会
スペシャルゲスト:黑田菜月+ 後藤桜子 (水戸芸術館現代美術センター 学芸員)
参加費:400円(お茶付き)
2月23日(日)19:30-
クロージングパフォーマンス
羅玉梅 (ロウ・ユックムイ)+ 陳楚翹 (チャン・チョウキュウ) feat. 何子洋 (ホー・ツィーヤン)
参加費:無料
1990年香港生まれ、東京在住。陳楚翹の作品は絵画とミクストメディア・インスタレーションを中心に活動している。彼女の作品は、単調な瞬間を意図的に表現している。彼女は、⽇⽤品の状態や質感を描き出し、⼈間の日々の行動や反復、 […]
複合的な表現方法を用いるアーティストで、美術教育者。現在は日本と香港を拠点に生活、活動している。「エクスパンデッド・シネマ(拡張映画)」を表現として用い、フィールドワークを取り入れ、都市のありふれた空間や日常生活に介入し […]
1983年中国生まれ、ロンドン大学ゴールドスミス校を修了。現在、主に東京と上海を拠点として活動。 アートは視覚性や審美性の生産ではなく、思考の方法、想像力のゲームとして捉えている。フルクサスのような、日常生活の場や公共空 […]
ベルリンを拠点にキュレーターや作家として活動。Haus der Kulturen der Weltにて論証的実践を試みるキュレーターを務めており、2025年から2026年にはShekmai SpaceでEcho Shiと […]