Art Center Ongoing

SEARCH EXHIBITION & ARTISTS

障 さわり

西村知巳

2025.1.22[水]_ 2024.2.2[日]
12:00‒21:00(月火定休、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場料: 400円(セレクトティー付き)

この度、Art Center Ongoingでは西村知巳(にしむらともみ)による個展『障 さわり』を開催します。西村は山口県出身、現在は東京と高知に拠点を持ちながら制作と生活を続けています。オンゴーイングでの個展は2018年以来、今回で2度目となります。
西村は、写真は占いであると語ります。使用しているカメラは1930年代に作られたLeicaの壊れたフィルムカメラ。写真が映るのも映らないのも気まぐれで、映らないものは真っ黒のネガフィルムとして残ります。近年のレトロブーム的なものに伴い価格が高騰しているLeicaのカメラですが、「壊れているから」という理由で比較的低価格で購入したそうです。しかし、“壊れているカメラ”、“対象物がたまにしか映らないカメラ”だからこそ、映らなかったもの、記録できなかったものにはじめて気がつくことができるといいます。そして、鑑賞者が展示された複数枚の写真の中から、一枚、特別に興味を向ける写真が生まれることも占いのようです。西村は写真を撮り、現像し、並べるという行為を通して、偶発と必然、記録と消失に目を向けているのです。
また、撮った写真にテキストを加える作風が西村作品の特徴の一つとしてあげられます。2014年には『sugata』という写真とテキストを併せた作品集を発表しました。日本語において「姿」を連想させる「sugata」という言葉は、サンスリット語で善逝(ぜんぜい)の意味を持つ同音異義語です。言葉と言葉のつながりを慎重に感じ取りながら、西村はテキストと向き合っています。何かを書くということは、脳内で風景や事実を補正しながら、その瞬間に近づいて、想起することです。目に見えたことを純粋に記録しようと試みても、すべて事実に基づいたことを書き尽くしたり、言い尽くしたりすることはできない、そのことに留意しつつ、手探りに選ぶ言葉は作品となっていくのです。
〈意図の中で/思いがけず〉残っていく写真、〈丁寧で/不完全な〉生ものであるテキスト。両義性を持つ二つのメディアは展示空間の中にただ存在するものとして、わたしたちの目の前に現れます。ぜひ、ここに辿り着くまでの道中で、自分自身の占いを自ら行ってみてください。
(Art Center Ongoing 手塚美楽)

会期中イベン

1月25日(土)15:00-
トーク
ゲスト:兼平彦太郎(キュレーター)
参加費:1,000円(入場料含む 1drink付き)


1月25日(土)19:00-
オープニングパーティー + Art Center Ongoing 17周年パーティー
加費:1000円(入場料含む 軽食と1drink付き)

2月1日(土)12:00-
写真占い 〜即興パフォーマンス


2月2日(日)19:00-
オンゴーイングスクール

参加費:1,000円(入場料含む お好きなケーキと1drink付き)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説


西村知巳

東京と高知に拠点を持って活動している。写真に文章を添える作風が特徴的。集団制作「キクプロジェクト」などで、映像制作にも取り組んでいる。 1978年 山口県生まれ2002年 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業2004 […]