Art Center Ongoing

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齋藤美卯・金珉華

2023.04.5[水]_ 2023.04.23[日]
12:00‒21:00(月火定休、水木金は16:00〜18:00まで一時休憩)
入場料: 400円(セレクトティー付き)

この度Art Center Ongoingでは、齋藤美卯・金珉華の2人展『*』を開催いたします。
この春、武蔵野美術大学油絵学科を卒業した齋藤美卯と、立教大学社会学部を卒業した金珉華は、小学生からお互いを知る間柄だといいます。高校時代から美術教育を受け制作することが生活の一環である齋藤と、齋藤に誘われたことが契機のため制作は動機が必要な行為だと語る金。これまで長い時間を共有してきた2人ですが、表現は決して共通するものばかりではありません。
齋藤は、絵画制作とインスタレーションを通し、素材/加工された素材や既存の空間と遊ぶ行為を実践していると話します。絵画や自作のおもちゃ、木のオブジェや空間を横断する紐など様々なものから齋藤の作品は成り立ちます。これらは独自の視点によってその空間と遊んだ結果ともいえます。
例えば齋藤の展示でまず目につく紐。様々な素材を組み合わせて作られた紐は、展示室をなぞるように張られています。次々と変わる素材やその色を追うと、齋藤が空間や素材のどの部分に着目したのかを追体験できるかもしれません。
また今回も展示している作品の一つに、マーブリングを施して削られた角材があります。齋藤は表面に色彩を施しているにもかかわらず、角材を削ってみると予想できない色が展開されていることに面白さを感じるのだと言います。これらの作品のように、斎藤は、既に機能や特性を持つ素材や空間に対して、新たな視点や切り取り方を持って入念に働きかけ、そこからこれまで現前していなかった別の側面を引き出すことで、遊びの空間を広げていきます。
金珉華は、フリーペーパー、ダンボール、レジャーシートといった、自身の生活の身近にあるものを使い制作を行います。
近年の都市部公共空間の窮屈さと消費性に注目した金は、所有するレジャーシートが公共空間を一時的に占領できることに気がつきました。さらにArt Center Ongoingを都市の中の消費から離れ、人が集まる場であると捉え、そこにレジャーシートを持ち込むことで中間の領域を作り出そうと試みます。
また金は、何かを書くときに白い紙を手に入れるのは特権的な行為に感じたことから、誰でも手に入れることのできるフリーペーパーやチラシに文字を書き始めました。それはすでに誰かの主張がされている紙に、自身の主張を覆い被せていく行為でもあります。自らの疑問や考えを身の回りのものを使って表す金の作品を前にすると、私たちの日々の生活の裏には様々な問題が潜んでいることを突きつけられているような気分になります。
制作への姿勢や経験においては対極とも言える立ち位置をとる2人ですが、一方でこれまでの長年の言葉による対話による共通認識もあり、離れているようで近いような表現が展示空間には広がっています。若き表現者2名による作品を通しての初の対話を、ぜひこの機会に多くの方々にご覧になっていただければと思います。
貞方梨七(Art Center Ongoing)

会期中イベント

4月9日(日)19:00
オープニングパーティー

1,000円(軽食+1Drink+入場料)

4月15日(土)19:00-
キンマキによるポーランド・レジデンス報告会

1,000円(ポーランド料理+入場料)

画家のキンマキが2023年1月から2月にかけて、Ongoing AIRのエクスチェンジプログラムで、ヨーロッパのポーランドに滞在し制作と発表をしてきました。現地で何を見て何を感じたのか、報告会を開催します。当日はポーランド料理もご用意いたします!奮ってご参加くださいー
以下、キンマキが寄せてくれたコメントです!
「Art Center Ongoing(東京)とDOMIE(ポーランド、ポズナン)の交換レジデンスアーティストとして、2023年1月26日から3月7日までの41日間、ポーランドに滞在しました。
今回の報告会では、ポーランドで行った場所や見たものを写真を見せながら紹介します。私が感じ取ったポーランドの雰囲気を共有できたらと思います。また、現地で行った展覧会の様子も紹介します!」

4月19日(水)20:00-
「レッツ!クロスワード」(B面/イカソーメン)

1000円(1Drink+入場料)

開催概要 B面(さいとう)
レッツクロスワード(B面)では、ひとつの大きなクロスワードを、集ったみんなで埋めます。
オンゴーイングは、異なる世代の人や、考え方を持った人が集うスペースです。この、集う(つどう)ことにより、関係無かったものが隣り合ったり、それら同士の働きかけが出てきます。けっこう社会の中では(広義に捉えれば)ばんばん行われていることですが、その当たり前に焦点を当てたいと思いました。
クロスワードは生活の中の余白(=ヒマ)に登場してくる、そんなゲームです。ああでもない、こうでもないと話し合いながら、正方形の区画を埋めていくのは、単純で、ゴールが決まっている、退屈な作業でしょうか。
たとえ約束されている答えであっても、答えへの道はあなた自身が歩いて、終わりにたどり着くしかない。そのことの面倒くささを肯定したい。
隣り合ったその人のことを、あなたはあなたの言葉でしか語れず、私たちはどうやってもきっと区切られています。
時に、そばにある線を踏み越えて/もしくは引き入れて、話すことができるのならば、今すぐにレッツクロスワード!

開催概要 イカソーメン (きん)
クロスワード、それはよく分からないけど言葉と言葉が隣り合って成立している。関連のなさそうな言葉が同じ四角に収まっている。それがさいとうが言うクロスワードの良さなのだと思う。私も、そのクロスワードが生み出す言葉と言葉の関係がすごく理想的に見える。
そのクロスワードを解くのではなくて、みんなで作る。格子状に仕切られた大きな四角を偶然その場に出てきた言葉たちで、埋め尽くす。1つ1つ言葉が出てくる度に、そこにはルールができていく。うまくはまったりはまらなかったり。ゴールは見えないし、もしかしたら完成しないかもしれない。それでもいいじゃないか。そう思う。

4月23日(日)19:30-
オンゴーイングスクール

1,000円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説+「レッツ!クロスワード」(B面/イカソーメン

齋藤美卯

2000年生まれ。東京都在住。2019年都立総合芸術高校卒業。2023年武蔵野美術大学油画学科卒業。絵画制作およびインスタレーションを行う。これまでの主な展示に2021年「ニュータイプ」gallery33SOUTH/東京 […]

金珉華

立教大学在学中。社会学専攻。 高校では緩くhip-hopを踊り、大学では服を作る。主な活動に、 2020年「打つ」artist run space merdre /東京、2021年 アートプロジェクト「Multicult […]