Art Center Ongoing

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2023.04.26“未来進行形 2023”
学生限定!!
Art Center Ongoingを舞台とした展示企画募集

東京・吉祥寺にあります芸術複合施設 Art Center Ongoingでは、この夏、企画展公募「未来進行形2023」を開催します。唯一の応募条件は企画者及び参加作家が全員学生であること。
個展でもグループ展でも、Art Center Ongoingを舞台とした展示企画であればどんなものでもOKです。選出された企画には制作補助資金として10万円を提供します。
下記の募集要項をお読みの上、奮ってご応募ください!

<「未来進行形2023」募集要項>

募集内容:
Art Center Ongoingを舞台とした展示企画

応募条件:
企画者及び参加作家が全員学生であること ※個展、グループ展は問いませんが、一人の応募者から複数の企画を応募することはできません。

募集期間:
2023年5月1日(月)〜2023年6月30日(金) 必着

制作補助資金:
10万円

展示期間:
2023年8月2日(水)〜8月13日(日) ※搬入期間:7月31日(月)、8月1日(火)

展示会場:
Art Center Ongoing (〒180-0002東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7 ※井の頭線、吉祥寺駅北口より徒歩10分)

ギャラリー図面

応募料:
無料

応募方法:
以下の応募フォームより、
応募者情報、A3サイズの展示企画書(10MB以下のPDFファイル)、過去の活動がわかる資料(10MB以下のPDFファイル)をアップロードしてください。

応募フォーム

応募締め切り:
2023年6月30日(金)(必着)

審査員:
利部志穂(彫刻家・詩人・アーティスト)、百瀬文(アーティスト)、佐塚真啓(美術家・国立奥多摩美術館館長)、パピヨン本田(漫画家)

結果連絡:
2023年7月8(土)までにメールにてご連絡します。

本件に関するお問い合わせ先:
info@ongoing.jp

審査員総評

利部志穂
色々なタイプの作者が応募していて楽しく拝見しました。ポートフォリオで気になる人も沢山いましたが、展覧会のプランで生で観てみたいな。と思う人に票を入れました。
私としては、今のトレンドとは違う自由で解放感のある作品を望みましたが、審査側の作家もまた当たり前に、作品への視点や思想はそれぞれ違っていたようです。
スタイルや一貫性や取ってつけた説得力などは、どうでも良いことだと思います。
結果は気にせずに。バシバシ自分の見たい世界へ邁進して下さい。
て、言われなくてもやるか。チャレンジしているあなたは既に勇者です。敬意とエールを送ります。

百瀬文
Ongoingとはその名が示す通り、まだこの世界において名前がついていない現在進行形の概念、営みなどを実践する場所なのだと思います。
今回はどれも意欲的な企画ばかりで悩みましたが、既存のありふれた展示というパッケージングを逸脱し、新たな社会的な実験場としてこの空間を捉え直すような作品を選びました。
また、作者がこの社会状況に対しどのように呼応し作品を作ろうとしているのか、どのような「個」としての欲望や切実さに突き動かされているのかが、同時に積極的に読み取れるものを評価しました。

パピヨン本田
今回初めて審査員というものをさせていただきましたが、たくさんの企画書を見てとても刺激を受けました。ものすごく面白かったです!
学生コンペなので美術大学に通っている学生の応募がメインなのかと思っていたら高校生の方の応募もあってなんだか嬉しく思いました。
自分は応募いただいた方達とめちゃくちゃ歳が離れているわけではないです。ほぼ同じ時代を生きてきた者どうしとしてシンパシーを感じるテーマの企画が多かったように思います。審査ではそのテーマをより自分のフィルターを通して表現の中に落とし込んでいると思う企画を推しました。
視覚的な面白さ、美しさを追求するような企画もいいものがたくさんありましたが、その中にもう一押し、展示をみてみたいと思わせる切実さがあればとも思いました。
どうしても審査をするとなると、企画書とポートフォリオだけで判断するしかないので、惹きつける文章の企画が、より魅力的に映ります。綺麗でまとまった文章の企画は、より実現可能性を感じさせます。ポートフォリオの作品もばっちり決まった写真が多い人の方が、企画に期待を持ってしまいます。今回は学生企画で、ポートフォリオの作品がまだ少ない人も多かったので、これからの作品をみたいと思わせてくれる人を、超読み込んで選びました。
今回グランプリを獲った森下さんの企画は、現代的なテーマの強さと、造形的なクオリティの強さをどちらも期待しています。
余談ですが、自分が初めてオンゴーイングで展示をした時、オーナーの小川さんに「優等生的でつまらない」というようなことを言われました。バッサリでした。最終審査員の小川さんはかなり手厳しいので頑張ってください。観にいきます。
今回応募していただいた方の作品なのですが、どれも本当に実物をみたいものばかりでした。もし展示の案内などあればメールとかDMでいただけたら伺います。公募出してた人ですといってくれたらできる限り行きます。
今回、ご応募いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

佐塚真啓
応募されてきた資料を見る。
見る前に以下5つの審査基準を個人的に勝手に設定し、1項目5点満点、計25点満点で審査していった。
《審査員:佐塚真啓_採点基準5項目》
①自由
手放し野放しの自由ではなく、この社会や世界に存在する制約と向き合い、そこから少し飛び出し、新しい景色が見えた時に感じる自由。
【個人的最高得点想定事物:私擬憲法】
②確度
自分の思いつきや考えに確かさをもって信じられているか。
【個人的最高得点想定事物:ドラえもん/藤子F不二雄】
③他力
自分以外の力をどのように生かしているか。他力を引き出す自力があるか。
【個人的最高得点想定事物:法隆寺/西岡常一】
④生活と製作
生きる事と、つくる事をどのようなバランスで考え実践しているか。
【個人的最高得点想定事物:円空仏/円空】
⑤莫迦馬鹿しさ
社会の中で無理、無駄、無意味という言葉でかたずけられてしまう物事に立ち止まり、自分なりの視点と姿勢を持って、愚直に向き合えているか。
【個人的最高得点想定事物:考現学/今和次郎】

以上の採点5項目を設定したのだが、採点しながら自分が、物事を評価するにおいては、
「人間としての時間や経験の形」というのを見ていることに改めて気がついた。
それは、ある事に10・30・50年と向き合い続けた時に持つ事が出来る「質」である。
今回のこの公募が学生を対象にしているという点で、
採点項目の立て方が間違っていたのかもしれない。
そんな事を採点しながら気が付いた。
しかし、それが僕の紛う事なき価値観である。
全力で審査した結果だ。今回、最高得点は15点だった。
応募された方々は、これからどう生きていくのかという過渡期にいる方々だと思う。
そもそも、フォーマットもバラバラの企画書とポートフォリオで
その作家と、やりたい内容を理解することが難しい。
自分のイメージが及ぶ範囲でしか採点が出来ていないと思う。
見えてない事、気が付けていない事が膨大にありそうだ。
しかし、皆さん大きな1歩を踏み出している方々だと思う。
別に改まって作品を作らなくたっていい。
興味関心のある事に真っすぐなら、
改まって美術なんて言わなくていい。
美術を枠におさめず生きていってもらいたいと審査しながら思った。