movingscape
それぞれが持ち寄った視点と中心を動かし合い、人称をこえた事態をつくる。動きをみる-動きをみられる-動きながらみる-動きながらみられる。
2020.01.22 [水] - 2020.02.02 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)
演出:鈴木健太
作家:コムラマイ / Ralph spieler / 三瓶玲奈 / kurokimai / 根本美咲
主宰:野口竜平 あるところにあったことがいなかった人に伝わることについて
2019年11月8日から3日間、三鷹の展覧会「TERATOTERA祭り2019」にて、芸術探検家・野口竜平が主宰するパフォーマンス企画《movingscape連続展Vol.1「乱立する筒」》が実施されました。
それは鑑賞者が梱包用ボール紙で作られた筒に入り、その外で行われるパフォーマーの「行為」を穴から覗き見るように鑑賞する、という一風変わった企画でした。同時に5組の招致作家(奥西千早・坂藤加菜・新皮生活・たくみちゃん・タカラマハヤ)もまた、発表という名目で乱立する筒の森に分け入り、その場を探索するように行為し知覚する3日間を過ごします。
本展は、演出家・鈴木健太を中心とするコレクティブによる、混迷を極めた『乱立する筒』の3日間に立ち会い、「記述」に向き合った3ヶ月間の思考と実践の展示会です。
『タイムアフタータイムズ / time after time(s)』は邦訳すると、“再三再四”……何度でも/幾度となく、という意味の言葉になります。その一方で「ある時間とそれからのある時間」という風にも見えます。
1月22日から10日間、吉祥寺ongoingは『乱立する筒』で起こった行為の記述が集まるもうひとつの舞台となります。時間の隔たりを超えるのではなく、それぞれの地点に立ったまま何度でも繋がろうとする記録と記述の性質をめぐって、その可能性を探ります。
野口竜平(芸術探検家・movingscape連続展主宰)
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1月25日(土)19:00~
むびすけトーク
『結局movingscapeってなんだったの?』
登壇者:本連続展関係者すべて
主宰の野口竜平が発案した造語である「movingscape」。連続展vol.1-vol.2を通して招致された作家たちは、この言葉を意識の片隅に置いたり、あえてほっといたりしながら制作を行いました。展示の区切りに改めて「movingscape」とはなんだったのか?円になって話し合います。その後オープニングパーティーがあります。
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1月26日(日)19:00~
Art Center Ongoing 12周年パーティー
2008年1月のオープンから12周年を記念するパーティー。
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1月29日(水)19:00~
『箱と革命』
登壇者:鈴木宏明、野口竜平、樋口直也
箱と革命。
心地よい響きだ。スケールも方向性もまったく逆なのに。
箱は、壁をつくり、何かを中に籠めることで存在が担保される。大きさも規定されることが望ましい。大きさの決まらない箱は少し使いづらい。
他方,革命は壁を壊し,解き放つことで、眼前の環境を反転することを志向する。バスティーユ牢獄や,ベルリンの壁など,往々にして壁を壊してきた。革命において、広がりを規定することは、ナンセンスであろう。
しかし、相反する両者の掛け合わせに、希望の火種を見ることはできないだろうか。対立やフレームを越え、断絶をなめらかにつなぐ変革の術があるのではないか。
本イベントは、別々のやり口で「箱と革命」を試行している野口竜平・鈴木宏明・樋口直也よるトークセッションを行う。
鈴木宏明:
自称レコード屋。東京、台北に「容れ物」となる拠点を立ち上げ、ジャンルレスな人々を巻きこんでいる。アジア展開を目指し、画策中。
野口竜平:
芸術探検家。本展示moving scapeの主催であり、「箱」をひとつの装置として、「移動と表現」の関係性を探り続けている。
樋口直也:
20世期システムからの脱却に向け、サードコミュニティを展開するNEWPEACEのプロデューサー。
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1月31日(金)19:30~
『ドキュメント映像上映会/vol.1 vs vol.2トーク』
19:30~ 映像上映
21:30〜 クロストーク
登壇者:奥西千早、新皮生活(vol.1招致作家)/(vol.2招致作家)
ドキュメント映像上映後にトークを行います。5組のパフォーマーによって行われた〈vol.1『乱立する筒』〉を“行為”と位置づけ、本展示参加作家たちはそれを“記述”する存在として会場にいました。対置された行為と記述、それぞれの名を冠した作家たちの関係性の移り変わり/入り交じりについて話します。
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2月1日(土)19:00〜
『利き体をほどく』
登壇者:吉原航平(画家)、野口竜平(芸術探検家・本連続展主宰)
利き手じゃない手で文字を書くと思うようにいかない。手に限らず、人は誰しも自分の体にとって自然な振る舞いを無意識に選び取っている日常的なからだ──“利き体”があると言えます。
ここでは〈vol.1乱立する筒〉において観客に課された「筒に入ってパフォーマンスを鑑賞する」という制約を皮切りに、自然なからだを押さえつけられた時に起こる体験の変容が、表現やその鑑賞に与える影響について、2人の作家が話します。登壇者は「筒」の考案者である野口竜平。ゲストとして、制作を通して日常的な身体と物質との関係を編み直し、異なる回路で形をつかむ模索を続ける吉原航平を招きます。それぞれの作例や経験を交えて、制約が呼びこむその可能性を探ります。(鈴木健太/吉原航平)
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2月2日(日)14:00〜
『あったころの光を放つ』ドキュメント映像上映会×vol.1『乱立する筒』会場ツアー
14:00- Art Center Ongoing集合・出発
15:00- 三鷹 武蔵野芸能劇場にて上映(16:30 三鷹にて終了予定)
『乱立する筒』の会場だった武蔵野芸能劇場にて、『乱立する筒』ドキュメント映像を上映する試みです。Ongoingより歩いて吉祥寺駅へ、中央線で三鷹駅で下車。武蔵野芸能劇場の小ホールにて映画を上映します。
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2月2日(日)19:00〜
『集めること、集まること』
登壇者:登壇者:松本篤(NPO法人 remo記録と表現とメディアのための組織)
2017年9月の晴れた日。ongoingで展示中、一階のカフェでくつろいでいると、小川さんが吉祥寺美術館の企画展のチケットをくれた。私はその足で展示をみにいくことにする。それが松本さんの活動との出会いだった。誰かが残したなんてことない記録の断片を集めた一冊の本を前に私は、今を生きる人間たちと、この土地に関連した人間たちの、距離や時間や想い、それら全ての隔たりを超え交錯するありったけのリアリティを目の当たりにすることになる。
なにかの記録が誰かの体験に繋がることについて、あの時の体験が今日のこの場をつくっていることについて。最終日は松本篤さんにお越しいただき、はな子のいる風景や慰問文集再々発行プロジェクトのお話などを聞きつつ、本展示の作家たちと記録について話し合う、たのしい場をつくりたい。クロージングパーティあり。(野口竜平)
それぞれが持ち寄った視点と中心を動かし合い、人称をこえた事態をつくる。動きをみる-動きをみられる-動きながらみる-動きながらみられる。
芸術探検家。武蔵野美術大学で版画とパフォーマンスアートに触れ、早稲田大学探検部でコンセプチュアルな探検や創造的な登山を経験したことから、環境と精神の相互的な働きかけを促す行為としての、移動/制作について考えるようになる。 […]