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下品展

荒井伸佳/OJUN/末永史尚/冨井大裕/吉雄介

2017.05.17 [水] - 2017.05.28 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)

下北沢のカフェギャラリー「現代HEIGHTS」(2015年3月30日に閉店)に馴染みのあった具体的な共通項はないが「なんとなく表現的に近い方向性、要素を共有していると感じられる」作家たちで企画された展覧会「空似」(2013年1月5日—22日、出品作家:吉雄介、荒井伸佳、末永史尚、冨井大裕、上之空似)、「愉快」(2014年10月2日—14日、出品作家:同上)に続く、同シリーズ3回目のグループ展。
「表現、制作、作品が異なる他人同士。だが、本人達の気付かない部分で似ているからこそ集まったのではないか」「積極的にお互いテーマに合わせて似た作品をつくるのでは無く、不思議と「似てしまう」お互いの未知の部分を探求しよう」(「序文」吉雄介、『空似アンソロジー』所収)という動機、目的の下に展覧会を開催してきました。
また、これまで展覧会に合わせて以下のイベントを行ってきました。
・冊子の発行、配布:「空似アンソロジー」「愉快アンソロジー」
・トークイベントの開催:「空似会議」「愉快会議」
・合同制作の作品展示:「空似ノート」「愉快映像」
今回も「下品アンソロジー」を発行、イベントを開催します。展覧会の内容も、これまでと同じ動機と目的の下、「下品」と名のついた展覧会を行います。

ごあいさつ

展覧会のタイトルは、その展覧会の顔です。例えば主義主張であったり、時代を映す鏡のような洒落た言葉を巧みに使ったり、そして更に知的で品があれば良いタイトルと言えるのかもしれません。
さて本展覧会は「下品」という素敵なタイトルとなりました。
下品という言葉はネガティブな意味合いで捉えられがちですが、人間は崇高で下品な行為から生まれます。では生命の源である宇宙はどうでしょう、宇宙が存在する以前には何があったのでしょうか。とてつもなく大きな変化が起こることにより宇宙が生まれたはずです。ビッグバン理論によればすべては爆発、膨張から始まったということになっております。
爆発と膨張。
この象徴的な言葉に特定の視点からの主語を付けて検証してみましょう。
1、俺はもう爆発しそうだ。
2、俺はすでに膨張しているぜ。
どうしてか、あまり上品には感じられないような気がします。
ではもう少しニュアンスを変えてみましょう。
1、私は今にも爆発しそうです。
2、私は以前より膨張してしまいました。
やはり穏やかでは無い雰囲気になってしまいました。
では更に主語を他の言葉に置き換えてみるとどうでしょう。
1、芸術は爆発だ。
2、都市は膨張している。
どこかで聞いたような言葉になってしまいました。
いつの間にか品の無い言葉遊びのようになってしまいましたが、宇宙の誕生でさえも、お上品な現象から生まれたとは言えないことがわかります。このように下品な出来事が起こる事によって生じる変化こそが、何かを生み出す原動力となり得るのかもしれません。

本展覧会は「空似」展(2013)、「愉快」展(2014)に続き同シリーズ三回目のグループ展になります。今回のメンバーである荒井伸佳、Ojun、末永史尚、冨井大裕、吉雄介の5人による下品な展覧会ではなく、「下品」展をお楽しみ頂ければ甚幸です。

荒井伸佳

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5月20日(土)19:00~
下品宴会(オープニングパーティ)

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5月20日(土)19:00~
下品会議(トークイベント)
(下品宴会の途中で行います)
出演:荒井伸佳、OJUN、末永史尚、冨井大裕、吉雄介、林卓行

林卓行 HAYASHI Takayuki
1969年東京都生まれ。美術批評および現代芸術論。東京芸術大学美術学部芸術学科准教授。1997年東京芸術大学美術研究科博士後期課程在学満期退学(美学)。2000年より玉川大学文学部専任講師、のち芸術学部教授を経て2017年より現職。著作に『ウォーホル(西洋絵画の巨匠9)』(小学館、2006年)ほか


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5月27日(土)19:00~
下品音楽会(ライブ)
出演:スッパマイクロパンチョップ
参加費:1000円(1drink付き、入場料込み、先着30名さま)

スッパマイクロパンチョップ
1969年愛知県生まれ。1991年セツ・モードセミナー卒業。1998年から音楽作品を竹村延和のレーベルChildiscからコンスタントに発表。壊れた楽器や楽器でないものでファンタジックな作風のポップスを追求。公演ではボーカル、ギター、シンセサイザー、ドラムス、DJ、何にでもチャレンジする。2013年から個人事業「レコード水越」立ち上げ。アートの総合総社的展開を維持。プロデュース、イラスト、デザインの仕事も盛ん。キーワードは「自由感」。

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5月28日(日)15:00~
Pre Ongoing School
作家本人による展示作品の解説を交えてのレクチャー。お好きなケーキとお飲物がついてきます。

展覧会に合わせて「下品アンソロジー」を刊行します。
「下品アンソロジー」
執筆:
吉雄介、荒井伸佳、末永史尚、冨井大裕、OJUN
ゲスト執筆者:
林卓行(美術批評、東京芸術大学美術学部芸術学科准教授)
石崎尚(愛知県美術館学芸員)

□出品者略歴
荒井伸佳 ARAI Nobuyoshi

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1967 東京都生まれ
1993 東京造形大学造形学部美術学科Ⅱ類卒業

主な個展
2016 「Nowhere」プラザギャラリー/東京
2012 「藪の中(In the woods)」プラザギャラリー/東京
2006 「Pre History」FORUM ART SHOPエキシビジョンスペース/東京
2005 「genealogical」ギャラリィK/東京
2003 「彼方」ギャラリー北村/東京
2001 「中心に向かうための三つの試み」FADsアートスペース/東京

主なグループ展
2016 「東京造形大学創立50周年記念ZOKEI NEXT50」アーツ千代田3331/東京
2013 「第9回造形現代芸術家展 混沌の涯から」東京造形大学付属美術館/東京
2012 「空似」展 現代ハイツ/東京
2011 「今、物語る」展 相模原市民ギャラリー/神奈川
2006 「ART/ROOM」アートフロントギャラリー/東京
2004 「FLAGSHIP2004」展FORUM ART SHOPエキビジョンスペース/東京

O JUN

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1956 東京都生まれ
1980 東京芸術大学美術学部油画科卒業
1982 東京芸術大学大学院美術研究科油画専攻修士修了
1984-85 スペイン・バルセロナ滞在
1990-94 ドイツ・デュッセルドルフ滞在
2009 文化庁新進芸術家留学制度によりアルゼンチン(ブエノスアイレス)に派遣
2010 東京藝術大学美術学部油画専攻常勤
現在、東京を拠点に活動。東京藝術大学美術学部教授

主な個展
2017 「O JUN展」ガレリアフィナルテ/愛知
2016 「飛び立つ鳩に、驚く私」ミヅマアートギャラリー/東京
「O JUN展 まんまんちゃん、あん」国際芸術センター青森
「O JUN展 ―順光品々―」VOID+/東京
2013 「描く児」府中市美術館/東京

主なグループ展
2017 「ほったまるびより-part2」(O JUNと吉開菜央)名古屋港税関職員寮/愛知 
2016 「複雑なトポグラフィー ―動態と変化」特別名勝栗林公園内 讃岐民芸館、商工奨励館および周辺/香川
   「縁側の立話 O JUN + 松井智惠」ozasahayashi_project/京都
「版画工房の仕事 ―板津石版画工房―」カスヤの森現代美術館/神奈川
2013 「第十回東京MAC(幕の内)西島直紀・O JUN」下山芸術の森 発電所美術館/富山

末永史尚 SUENAGA Fuminao

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1974 山口県生まれ
1999 東京造形大学造形学部美術学科1類卒業
2004 文化庁新進芸術家国内研修員

主な個展
2016 「息づきの絵画」Maki Fine Arts/東京
2014 「APMoA Project, ARCH vol.11 末永史尚 ミュージアムピース」愛知県美術館展示室6/愛知
2015 「放課後リミックス」Maki Fine Arts(東京)
2012 「やまぐちアーティスト支援事業 末永史尚 個展『かげり』」秋吉台国際芸術村/山口
2011 「imitate」 Gallery+Cafe SeeSaw/愛知

主なグループ展
2016 「トランス/リアル – 非実体的美術の可能性 vol.3 末永史尚・八重樫ゆい」ギャラリーαM/東京
「TAMA VIVANT Ⅱ 2016 美術ーあいまいなパラダイム」多摩美術大学八王子キャンバスアートテーク・ギャラリー/東京 パルテノン多摩/東京
2014 「1974年に生まれて」群馬県立近代美術館/群馬
2013 「VOCA 2013」上野の森美術館/東京
「引込線 2013」旧所沢市立第2学校給食センター/埼玉

冨井大裕 TOMII Motohiro

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1973 新潟県生まれ
1999 武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了
2015 文化庁在外派遣研修員としてニューヨークに滞在(ー2016年)

主な個展
2017 「スケッチ」代田橋 納戸/gallery DEN5/東京
   「像を結ぶ」Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku/東京
2011 「色と形を並べる」ラディウム-レントゲンヴェルケ/東京
2009  Art Center Ongoing/東京(以後、`12`14)
2004  switch point/東京(以後、`05`06`07`08`09`10`11`12)

主なグループ展
2017 「パースペクティヴ(1)」」インターメディアテク/東京
2015 「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋-日本と韓国の作家たち」
国立新美術館/東京、韓国国立現代美術館/ソウル
2014 竹尾ペーパーショウ2014「SUBTLE」TOLOT/heuristic SHINONOME/東京
2011 「横浜トリエンナーレ2011」横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫/横浜
   「MOTアニュアル2011 Nearest Faraway」東京都現代美術館/東京

吉雄介 YOSHI Yusuke

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1965 神奈川県横浜市生まれ
1990 東京造形大学造形学部美術学科Ⅱ類卒業

主な個展
2011 「コトワザ」ギャラリー福果/東京
2010 「+ − 0」ギャラリー四門/神奈川
2009  DEE’S HALL/東京(2006、2002)
2008  現代HEIGHTS Gallery/東京(2004、1999)
1998  METAL ART MUSEUM HIKARINOTANI/千葉

主なグループ展
2011 「所沢ビエンナーレ美術展2011 ー引込線ー 」所沢市生涯学習推進センター、旧所沢市立第2学校給食センター/埼玉
2010 「桑沢デザイン研究所+東京造形大学 SO+ZO展」桑沢デザイン研究所/東京
2009 「carametalic」パーソナルギャラリー地中海/東京
2008 「第四回造形現代芸術家展 変換される視線」東京造形大学付属横山記念マンズー美術館/東京

作家の冨井大裕の持ち込みにより実現した、荒井伸佳、O JUN、末永史尚、冨井大裕、吉雄介の5人による『下品展』。「下北沢のカフェギャラリー「現代HEIGHTS」に馴染みのあった、具体的な共通項はないが「なんとなく表現的に近い方向性、要素を共有していると感じられる」作家たちで企画された展覧会「空似」(2013年1月5‐22日、出品作家:吉雄介、荒井伸佳、末永史尚、冨井大裕、上之空似)、「愉快」(2014年10月2‐14日、出品作家:同上)に続く、同シリーズ3回目(本展プレスリリースより一部抜粋)」。人間が崇高で下品な行為から生まれるという事実からイメージをふくらませ、下品な出来事が起こる事によって生じる変化こそが、何かを生み出す原動力となり得るのかもしれないという仮説のもとに展開。ただし、下品な展覧会というわけでは決してなく、実力のある5人の作家たちの作品が一堂に会する。また展覧会に合わせて「下品アンソロジー」を刊行したほか、メンバー始め本展の関係者たちが調布市の深大寺の陶芸体験で絵付けした陶器も販売した。 
小川希(Art Center Ongoing)

冨井大裕

coming soon…