Art Center Ongoing

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前借りアセンブリ

江藤佑一

2020.02.05 [水] - 2020.02.16 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)

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2月7日(金)19:00~
トークイベント
ゲスト:泉太郎(アーティスト)

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2月9日(日)19:00~
レセプションパーティー

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2月15日(土)19:00~
トークイベント
ゲスト:カタルシスの岸辺(アーティスト)

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2月16日(日)19:00~
Pre Ongoing School
作家本人による展示作品の解説を交えてのレクチャー。

この度Art Center  Ongoingでは、江藤佑一個展『前借りアセンブリ』を開催いたします。江藤は2017年に東京藝術大学美術研究科大学院彫刻専攻を卒業。これまでに展示空間全体を用いて観者の動きを巻き込んでいくような作品を数多く制作してきました。本展では「説明書」をモチーフに新たに制作した平面、映像、立体から成る2作品を発表します。
展覧会タイトル「前借りアセンブリ」とは、文字通りアセンブリ(=組み立てる/部品)を前借りするということを意味します。そこに在る「組み立てなければいけない何か」は、何を持って完成となるのか。今回の作品は組み立てる前と組み立てた後の間にある過程に着目し、説明書を基に自分なりに組み立てながら、その過程で空間をどう把握していくのかを追った記録でもあります。
江藤が本作を手がけた動機は、「作る」という過程を見直したかったというストレートなものだと言います。何かを作る、組み立てる前と後、得てしまった前と後。その間にある過程には、幾多の様々な選択の場面があります。あの時この選択をしていたら失敗していたかもしれない、という体験は誰しもが一度は経験したことのある感覚ではないでしょうか。計り知れない未来への影響力を持つ「決断」という行為を、江藤は今回作品化しようとしているのです。そしてまた、その作品の制作そのものが選択の連続であるとも言えます。
2016年にArt Center  Ongoingで開催した二人展で、江藤は平均台のような台を用いて地面に足をつけないように街を歩く映像作品を発表しました。ここではドキュメンタリーのように撮影された映像を展示していましたが、パフォーマンスとして見せても可能なことを映像作品として見せたのは、「作家本人(=江藤)がやらなければいけない」というイメージや特別感を観者に持たせずに、誰もが試みてもいい行為といった、普遍的なテーマを取り扱いたいという江藤の思いが込められていました。
今回の個展においては、観客と同じ立ち位置を保持することで普遍的テーマに落とし込みながらも、私たちに新たなものの見方を提案しています。これからも続いていく選択の場面で、江藤は、そして我々はどのような決断をしていくのでしょうか。「説明書」という身近なモチーフをもちいながら、選択という何気ないながら大きな危険性をも時に孕む行為を表現した展示空間を、ぜひこの機会にお楽しみください。 
(乙重杏歌)

江藤佑一

1989 東京都生まれ2015 東京藝術大学 美術学部 彫刻学科 卒業2016 東京藝術大学大学院 美術研究科大学院 修士課程 彫刻専攻 修了 個展2020 前借りアセンブリ (Art Center Ongoing|東京 […]