Art Center Ongoing

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DECORATORCRAB ―0人もしくは1人以上の観客に向けて―

飯川雄大

2019.05.10 [金] - 2019.05.19 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)

2019 年の5 月に Art Center Ongoing で開催した「デコレータークラブ — 0 人もしくは1 人以上の観客に向けて」の展示風景。「配置・調整・周遊」(2018 年に開催した兵庫県尼崎市A-Lab でのインスタレーションを発展させ、ギャラリーで鑑賞者が空間や構造物と対峙し試行錯誤して起こした行為が別の空間で新たな事象として現れる。その事象の目撃者は新たな鑑賞者になるかもしれない。

記録動画youtube のリンク
https://youtu.be/c4tAAlaIdwQ

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5月11日(土)19:00~
オープニング・パーティー

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5月12日(日)18:00~
トークイベント「田村友一郎になりたい」
出演:田村友一郎、飯川雄大

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田村友一郎:
1977年富山県生まれ。熱海市および京都市を拠点に活動。日本大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了。ベルリン芸術大学空間実験研究所在籍(2013-14)。映像や美術といった旧来の領域にとらわれない独自の省察の形式を用いた作品を通して、観客とのあいだに従来とは異なるコミュニケーションを志向する。現在、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)のほか、「開館30周年記念特別展 美術館の七燈」(広島市現代美術館)、「わたしはどこにいる?」(富山県美術館)、に出展している。
http://www.damianoyurkiewich.com/

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5月18日(土)19:00~
トークイベント「0人もしくは1人以上の観客に向けて」
出演:大岩雄典、飯川雄大

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大岩雄典:
美術家。1993年生。詐欺、家具、口伝、遅刻などをテーマに、制作や書き物をおこなう。主な展示に、「Pleasure」(TWS渋谷, 2015)「Surfin’」(2017)「明るい水槽」(2018)「スローアクター」(2019)。東京藝術大学映像研究科博士後期課程在籍。主な受賞に、第4回CAF賞海外渡航費授与(2017)、第16回美術手帖芸術評論募集佳作入選(2019)。
euskeoiwa.com
写真:野口翔平

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5月19日(日)15:00~
Pre Ongoing School
作家本人による展示作品の解説を交えてのレクチャー。お好きなケーキとお飲物がついてきます。

飯川雄大(いいかわ たけひろ)は、2003年に成安造形大学デザイン科ビデオクラスを卒業。現在は兵庫県を拠点に活動しています。
飯川はこれまで時間の相対性や知覚のゆらぎに着目し、映像、写真、立体などを用いた作品を制作してきました。24時間にわたり街の風景を定点撮影した作品や、サッカーの試合中にボールに触れることのないゴールキーパーの振る舞いに着目した作品など、他愛のない風景や周縁にあるものを注意深く観察することによって、中心軸を入れ替えるような作品を発表してきました。
本展のタイトルにある『デコレータークラブ」とは、飯川が2007年から続けているシリーズです。“decorator crab”とインターネットで検索すると、様々な形をした色とりどりの蟹の画像が検索結果に上がってきます。この蟹は、周囲にある海藻や小石などを身につけて擬態する特性があり、飯川はこの蟹を「衝動とその伝達」にまつわるモチーフとして用いながら様々なプロジェクトを行ってきました。森美術館で現在開催中の「六本木クロッシング2019:つないでみる」でも、巨大なピンクの猫の立体作品《デコレータークラブ―ピンクの猫の小林さん―》を出展しています。展示空間に押し込まれるように設置された「猫の小林さん」と名付けられたド派手な色の立体。それを目の前にした鑑賞者は、その時の感動を写真に捉えようと懸命に撮影を試みます。しかし「猫の小林さん」は一枚の写真にはどうしても収まりきらない場所に設置されているのです。飯川はこの立体作品を通じ、写真や映像といった本来情報を伝えるために用いられる手段の限界について問いかけます。衝動の本質とは何か、またそれと同時に眼差しの共有の難しさを提示しながら、その先の可能性を探っているのです。
本展『デコレータークラブ ―0人もしくは1人以上の観客に向けて― 』では、Art Center Ongoingの空間の特性を活かしながら、鑑賞者が自らの行為が生みだす事象を目撃することで、鑑賞の前後で空間の捉え方に変化を生じさせる作品を発表します。飯川によって0人もしくは1人以上の観客に向けて巧妙に仕掛けられた作品を通じ、私たちはそこから新たな風景を発見することになるでしょう。多くの皆さまのお越しをこころよりお待ちしております。
(周山祐未)

飯川雄大

1981年兵庫県生まれ、同地を拠点に活動。 人の認識の不確かさや、社会の中で見逃されがちな事象に注目し、鑑賞者の気づきや能動的な反応を促すような映像やインスタレーションを制作。 2019年「六本木クロッシング2019展: […]